3 ページ5
苦い、不味い、美味しくない。
アズールが自分で飲みこんだと思いきや口移しで強制的に飲ませられた。
涼しい顔してやりやがったな、この野郎。
口直しに手中にある缶詰の蓋を開けて肉団子をかっ食らう。美味い、人間ってこんな美味いもん食ってんだな……
「 薬を飲ませてくれた僕にありがとうのお礼もなしですか」
「 俺は別に飲ませてくれなんて頼んでいない。アズールが勝手に飲んで、吐き出せないから飲み込んだだけだろ、バカ言うなよ」
「 なっ……薬を飲まないと貴方は、」
「 んなことよりも、双子がお前に用があるみたいだぞ。いいよ、入れよ2人とも」
入口で顔を覗かせていた二人に声をかけると、暫し沈黙。
が、作ったような笑顔を浮かべて部屋に入ってきた。なんなんだよ、気味が悪いなお前らは。
「 ねーねーナマズちゃん、ちょっと聞きたいことあるんだけど聞いてもいい？｣
「 どうした改まって」
口周りに付いた肉団子のタレを拭いながら、次の缶詰に手を伸ばす。薬も美味しい味がしたら俺だって飲もうという気持ちにはなるのに、アズールそこは気が利かねえよな。
「 先程、アズールとキス、してませんでしたか？」
「 キス、て、なに？」
「 え、ウソ……ナマズちゃんってそれほどまでに知識ねーの」
フロイドにドン引きされた。俺はフロイドにドン引きされる筋合いは無いんだけど……キスってシロギスの話か？ちっちゃい小魚共が、どうした。
ジェイドとフロイドはまた二人揃ってひそひそ話を始める。なんだよコレ、なんかの伝言ゲームか？
アズールはアズールで深いため息ばかり零しているしーー俺、何もしてないけど。
「 ナマズちゃん、キスってゆーのは、人間が」
「 フロイド、この話はもうやめましょう時間の無駄です」
「 俺は聞き流してるから適当に話しててくれて構わないぜ」
ブハッ、とこれまたジェイドがツボに入った様子。
最近のお前ら、ツボ浅すぎじゃねえか。
「 ……そうですね、アズールの言う通り時間の無駄なのでこの話はやめましょう。おやすみなさいAさん｣
「 今度時間があったら俺が教えてあげる。じゃ、おやすみ｣
「 教えなくて結構です、早く出ていってください」
部屋の出入口でギャーギャーと騒ぐ三人。
お前ら本当に昔から仲良いよな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛(プロフ) - 蒼井とーるさん» はじめまして、コメントありがとうございます！夢主イラスト可愛いと言って頂けて嬉しいです( *´꒳`*)ゆっくりではありますが更新頑張ります！ありがとうございます！ (2021年12月1日 18時) (
レス) id: 1c0863e534 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる(プロフ) - 夢主イラスト、とてもかわよくて推せます！性格も最高に面白くて大好きです！頑張ってください！ (2021年12月1日 4時) (レス) @page5 id: f4c569577f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
