4 ページ6
「 アズールー、お腹空いた」
「 僕ではなくフロイドかジェイドにお願いしてください。快く準備してくれますよ」
「 違う違う、さっきから窓の外にいる亀の親子、食っていいかって一応確認してる」
「 ダメです」
***
一限目の途中、喧しいぐらい大きな腹の音が教室に鳴り響いていてトレインに睨まれた。これは俺のせいじゃない、たかがカメ一匹を食わせてくれなかったアズールが悪い。
「 また授業中にお腹を鳴らしていたのは君かい?」
「 リドルって真っ赤だから熟れたリンゴみたいだよな……一思いに頭から食えそう」
「 君が言うと冗談に聞こえないからやめてくれないか!」
自分から近づいてきて自分で話を振ったくせに距離を取られて警戒される。誰だって射程範囲内に獲物がいれば食べたくなるだろ。
そういや、フロイドがリドルのことを金魚って言ってたっけ、ああ金魚かあ……ピチピチプリプリしてて美味しいんだろうな、喉越しが良さそう。
「 Aさん、涎。垂れていますよ」
目前に差し出されるのは購買で大人気のデラックスメンチカサンド
「 んー、ありがとジェイド。手軽に食えるこのパン、便利だよなあ」
人気な理由がよくわかる。買いに行くと売り切れで、人に揉まれたら無駄なエネルギーを使うから争奪戦にも巻き込まれたくない。
俺の口じゃすぐになくなるデラックスメンチカツサンドを頬張っていると、リドルが呆れたような表情を浮かべ、盛大にため気をついた。
「 ……また貴方は一限目終わりから食事ですか」
「 アズール、君からも彼に一言言ってやってくれ」
教室に現れたアズール。の、両手には何も物が無い。
「 アズール帰れ。俺は食い物くれるやつとしか話はしない」
「 そういうと思って先程植物園にありました雑草を持ってきました」
「 おまえ俺の扱い雑すぎじゃね? さすがの俺でもウサギじゃないんだから食わねーわ」
153人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛(プロフ) - 蒼井とーるさん» はじめまして、コメントありがとうございます!夢主イラスト可愛いと言って頂けて嬉しいです( *´꒳`*)ゆっくりではありますが更新頑張ります!ありがとうございます! (2021年12月1日 18時) (レス) id: 1c0863e534 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる(プロフ) - 夢主イラスト、とてもかわよくて推せます!性格も最高に面白くて大好きです!頑張ってください! (2021年12月1日 4時) (レス) @page5 id: f4c569577f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ