猫拾ったらその猫に愛を求められた。【まふまふ】

愛してね26 ページ26

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まふくんに腕を掴まれ、誰もいない廊下の端に連れて来られた。


『まふくん…？』

「僕…僕ね、Aのこと好きだよ。けど、君は僕の事弟としか見てないんだよねっ…？」


涙声で、ポツリとそう呟かれる。俯いている彼が一体どんな気持ちでいるのか、私には理解出来なかった。

俯いている彼から、雫がポタリと落ちる。



……これは、涙だ。

彼は今、泣いている。



「…僕の、何が駄目だったの？この二ヶ月の間ずっとアピールしてたの、気付いてなかったの？それとも、しつこくて嫌になった？」

『…そんなことないよ。けど、どうしてもまふくんのことを男として見れないの。…ごめん。』



そう謝ると彼に強く腕を引かれ、唇になにかを押し付けられた。

目の前には目を瞑っているまふくんの顔。私の唇には柔らかい感触。

　



わたし、まふくんにキスされた…？



『ま、ふくん…？なん、で…。』

「……ごめん、ぼく…。」



唇が離れると呆然とした様子でまふくんを見る。

俯いて見えなかった彼の顔は露わになり、その表情を見てごくりと唾を呑み込んだ。




『なんで、そんな顔してるの…？』



　

何で、そんな悲しそうに笑うの。



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