猫拾ったらその猫に愛を求められた。【まふまふ】

愛してね14 ページ14

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『それじゃ、学校行ってくるね。ちゃんとご飯とか食べるんだよ？』

「んも〜、大丈夫だって！ちゃんとどうするか考えてあるんだから！ほら、いってらっしゃい！」

『…行ってきます。』



高校生になってから一人暮らしを始めた為、ずっと言われていなかった「いってらっしゃい」と言う言葉。久しぶりに聞いて、懐かしさと嬉しさが込み上げてきた。

無意識に口角が上がったこの顔を見られないように小走りで学校に向かった。



『いってらっしゃいって言われるの、こんなに嬉しくなるものだったかな…？』


そう呟いて、小走りを止めて普通に歩く。その足取りは自分でも分かるくらいに軽く、それほどまで嬉しいと感じたことに少しだけ恥ずかしくなった。

いつの間にか学校に着いており、生徒玄関で内履きに靴を替えて自分の教室に向かう。



「あっ、おっはよぉA〜！昨日ぶりだねぇ！」

『おはよ〜、棗ちゃん。』



教室に向かっている途中に話し掛けてきたこの子は私の幼馴染みの響 棗(ひびき なつめ)ちゃん。黒かった髪を金髪に染め上げ、元は高かった声も中性的になった女の子。


見た目は完全に男の子だが、唯一小さい身長が女の子らしさを出している…と思う。


棗ちゃんは私の右腕に抱きつきながら、「Aは知ってる？」と話し掛けてきた。



「今日、うちらのクラスに転校生来るんだって！」

『え、転校生？でも昨日先生何も言ってなかったよ？』

「詳しい事は私も知らないけど、なんか先生も今日初めて知ったんだって。しかも転校生は男らしいよ〜？あーあ、可愛い女の子がよかったなぁ〜！」

『(転校生か…、ちょっと楽しみかも。)』



ワクワクした気持ちを抑え、女の子がいいーと言う棗ちゃんにまだ掴まれている右腕をほどかず、棗ちゃんを引っ張る感じで教室に入った。


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