LOVE

気づかせてくれて ページ39

ちょうど半分地点のサービスエリア。
時間は18時を回る頃。
運転代わるよと言ってくれたやまとに甘え
行きでは座らなかった助手席に腰を下ろす。



やまと運転の車に2人きりで乗るのは彼らがコムドットとなって
初々しい頃以来かもしれない。



変わり映えのしない景色を過ぎ去る中、言葉を発したのはやまとの方。



『あいつらなんて言うかな』


｢一言目予想するの？｣


『いいね。当たった方にアイス奢り』



静かに、けれど確実に。
やまとは徐々にやまとに戻りつつあった。



｢おかえり、じゃない？無難に｣


『まあ全然あるね。俺はね、早かったじゃん、かな』


｢えー一応ちゃんと2週間て伝えたじゃん｣


『でも無期限って言ってたし。そんぐらい戻ってこないと見たんじゃない？』



いつか、こんな時もあったねと思い出話にできるだろうか。
今はまだ癒えきっていない傷口に塩を擦り込めるようになる時がくるだろうか。



ゆうたの高校の元カノの話のように。
あーだったこーだったと、5人で言えるようになる日が。



『ねえ』



信号も歩行者もいない高速道路。
抜かし抜かされ、過ぎ去る景色に少しずつ夜の光が見えてきた。



｢何ー？｣


『俺さ、ずっと言いたかったことある』


｢…なに？｣



車内には、なんの音も流れていない。
ダイレクトにやまとの声だけが耳に届く。



あたしの脳が自分にとって都合のいいように解釈する。
ないと思っていても、期待してしまう。



だって、



『好き。A』



あたしはやまとが好きなのだから。

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