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闇から、その声は聞こえた。
徐々に浮かび上がってく輪郭は
あたしが毎日見ているその人で。
怒っているようにも見えるその顔は、近づきがたいオーラを放っている。
現にこの目の前のショウタはさっきまでの威勢が
どこかに飛んでしまっているし。
｢あー…まあ、うん｣
『俺なんて言った？早く帰ってきてって言わなかった？』
｢……はい。すいません｣
やまとは間に居るこの男が視界に入っていないらしい。
真っ直ぐすぎるほどにあたしだけを映し、距離を近づけてくる。
そして、ショウタを突き飛ばした。
突き飛ばしたというのは比喩だが、そのぐらいの勢いだった。
あたしの腕をぐいと引き、やまとの後ろに隠される。
『んで、あんたはなんかAに用？』
｢…コムドットのやまとじゃん、なんでここにいんの……｣
『Aになんもしてねーだろーな』
｢してない、っす。てかAがコムドットのマネってほんとだったんすね｣
大きい背中。
夜風がやまとの匂いを運ぶ。
そしてふと思い出した。
彼はいつも、こうしてあたしを守ってくれたことを。
中学生の時は学校の好奇の目から。
高校の時は、男という生き物と世間から向けられる様々な感情から。
大学生になってコムドットになっても、ずっとずっと。
あたしがしんどいと感じた時はいつだってその背中で隠してくれた。
『戻ろう』
男の質問には答えず、そいつからあたしが見えないよう背を向けて歩き出す。
右手を握られ歩く砂浜は、さっきまでの空気が嘘のように心地いい。
何も聞かれず、何も話さず。
ただ隣に相手がいることだけを感じてホテルに帰った。
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яeu(プロフ) - ららみさん» ご愛読ありがとうございました。ありがたいお言葉をいくつも並べていただけて大変嬉しく思います。新作を出した際にはぜひ覗きに来てください☺︎ (7月31日 19時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
ららみ(プロフ) - めちゃくちゃ好みど真ん中のお話で毎日更新されるのを楽しみにしていました😵💫💞完結は悲しいですがお話が素敵すぎて幸福感でいっぱいです、、！💘💘💘次のお話も楽しみにしています🫶🏻💓 (7月31日 0時) (レス) @page45 id: e947e550b2 (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - おりさん» ありがとうございます。ゆっくりではありますが確実に更新していきたいと思っております。 (7月13日 8時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
おり(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます。ご自身のペースで更新頑張ってください！ (7月12日 21時) (レス) @page25 id: 7292fb39fb (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - meloさん» 線香花火も読んでくださったのですね、随分時間が空いてしまったのにも関わらず読んでくださることに感謝です。ありがとうございます。 (6月28日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：яeu | 作成日時：2023年6月19日 20時
