私の命を助けてくれた人はとある騎士でした (ページ7)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:3,803 hit

久しぶりの登校ページ7

泉さんに会った次の日の朝

今日も平日だから、私と泉さんはもちろん学校がある

でも私は今日も行きたくない

登校拒否しよう

そう思い、二度寝しようとしていたら泉さんに起こされた

「ちょっとAいつまで寝てるのぉ〜」

『動きたくない………』

「もー……遅刻しちゃうよぉ」

体を揺すってくるので仕方なく起きる

『おはよう…お兄ちゃん………』

「ん〜おはよぉ
　どうする？食欲あるなら朝ごはん作るけど」

『今日はいいや、朝は元から食欲ない方だから』

「わかった」

私は昨日、父からの虐待の相談しかしていなかったため

泉さんは学校でもいじめられている事を知らなかった

朝からそんな暗い話してもなぁ…

と言う気持ちと

学校あるのに泉さんを困らせてはいけない

という気持ちがあってなかなか言い出せずにいた

今日は久しぶりに学校行こうかな……

溜まってるプリントだってあるだろうし、授業に追いつかなきゃヤバイ

でもやっぱりいじめられるという不安があって朝食をとれる気分ではなかった

……今日だけは頑張って学校に行こう

そう思って2週間ぶりに学校に行く支度を始めた

「……教科書とか筆箱とかは要らないの？」

あ……ほんとだ忘れてた

『筆記用具だけ貸して……』

「はいどうぞぉ」

『ありがとう！』

私の為に用意してくれていたのか、すんなり渡してくれた

もう行かないと遅刻する時間まで迫っていた

『…もう私行かなくちゃ』

「もう出るの？俺より早いんだねぇ
　じゃあ送ってあげるよ」

『いいの？』

「当たり前、逆に1人で行かせたら心配だからねぇ」

『えへへ♪ありがとう、お兄ちゃん！！』

(っ////ほんとに可愛い…)

「じゃあ行こっか」と手を繋いでくれる

私も彼の手を握り返した

20分ほどで学校に着いた

段々と顔色が悪くなっている私に気づいたのか

泉さんは私を優しく抱きしめてくれた

すごく暖かくて落ち着く

少しだけ緊張が和らいだ気がした

「何かあったらすぐお兄ちゃんに連絡するんだよぉ」

とラインを交換してくれる

あ、あとこれと鍵を渡される

『なんの鍵？これ』

「俺ん家の合鍵
　Aが先に帰って来たら入れないでしょぉ」

『……ありがとう……行ってきます』

「ん、行ってらっしゃい。無理しないでねぇ」

と、もう一度抱きしめてくれた

お兄ちゃん、頑張ってくるね

耐えられるかわからないけど、今日なら挫けずに最後まで立ち向かえるような気がするから