私の命を助けてくれた人はとある騎士でした (ページ6)

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お兄ちゃん…ですかページ6

泉さんに待っててと言われて15分ほど経っただろうか

キッチンの方からカレーのいい匂いがしてきた

「できたよぉ…って言っても昨日作り置きしてたヤツなんだけどねぇ」

そう苦笑いしながら持ってきてくれたのは、美味しそうに盛り付けられたカレーライスだった

「はい、どうぞ召し上がれ
　しんどかったら残してくれて全然いいからねぇ」

『美味しそう…！いただきます』

前の事もあって心配だったけど、一口だけ食べてみる

『……美味しい！私こんなに美味しいご飯食べたの初めてです…』

「よかったぁ…て泣かないでよぉ…！！」

誰かに作ってもらうことなんて今まで無くて、

初めて食べたのに安心感があって自然と涙が溢れた

『ごめんなさい…ちょっと感動しちゃって…』

「食べれそう？」

『余裕で！』

えへへと笑う私に釣られて、「元気出てきたじゃん」と笑う泉さん

それからは、2人で雑談しながらカレーライスを食べた

「俺より早く食べ終わるなんてびっくりだよぉ
　てっきり残すかと思ってたのに」

私は僅か5分ほどで完食していた

『全然余裕で完食しましたよ、ご馳走様でした！』

手を合わせて『ご馳走様』という私を見て微笑む彼

『んっどうかしましたか？』

「ううん、何でもないよ
　ただ妹できたみたいで可愛いなぁと思って」

『妹…ですか』

「…何歳?」

『高2の17歳です』

「なら俺より歳下だし、やっぱり妹だねぇ」

「……本当に妹に欲しくなってきた」

『………』

「俺ならAに危害加えたりしないし、何かされたら守ってあげられるよぉ
　可愛いがってあげるから、俺ん家ずっといてよ…妹としてさぁ」

確かに泉さんとなら安心できるし、何の不安もない

妹っていうのはよく分からないけど、一緒に居るっていうのは心強いし

『分かりました。これからよろしくお願いしますね…！』

そう言うと、泉さんはすごく嬉しそうな顔をした

「よろしくねぇ
　じゃあ…まずは敬語かなぁ」

『敬語ですか…』

「そう、敬語やめて」

『でも泉さん歳上じゃないですか……』

「歳上だからって、お兄ちゃんに敬語使うのぉ？」

『うっ…確かに』

「あと、さん付け禁止」

『じゃあ泉…？』

「それでもいいんだけどぉ…お兄ちゃんって……」

『…お兄ちゃん？』

「……可愛い過ぎてムリ尊い」

「…ん？」

泉さん…じゃなくてお兄ちゃんのキャラ変に着いて行けそうにない……

けど、もうちょっと生きてみようかな、と少しずつ思えるようになってきた