情報収集*１ ページ10
「すいませーん！守沢先輩はいますか？」
「ん？Aじゃないか！どうした、何か困りごとでもあったのか？」
「ちょ、暑苦しい！いちいち抱き締めないでください、周りの目を少しは気にしろくださいコノヤロー！」
翌日の昼休み。
俺は授業が終わったと同時に教室を飛び出し、三年生の教室へダッシュしていた。
理由は簡単。
「あの、昨日の袋のことなんですけど」
「あぁ、そうだそうだ！なにやら俺のものではない服が入っていてな、やはりAのものか？」
「はい、そうなんで……待ってください、『やはり』ってなんですか」
袋ごと渡してしまい、本来なら別の相手に返さないといけない物が、守沢先輩の元に渡ってしまっていたのだ。家に帰った瞬間に思い出した自分に呆れる。
というか。フリッフリの服が俺の私物だと思われているのなら心外である。
釈然としない態度の俺に、先輩は「あ、いや違うんだ」とかなり手遅れな言い訳を口にしようとする。
「べつにいいんですよ？ 俺は怒ってませんから」
「目が笑ってないぞ」
ふんっ、今から何を言われたって聞き耳を持つもんか。
俺がぷいっとそっぽを向きながら腕組をしていると、先輩はバツが悪そうに頬を掻いた。
「すまんすまん、あとで何か奢るから機嫌を直してくれ。頼む、この通りだ！」
「むう……。仕方ないですね、今回に限り許してあげます！」
「ありがとう！ 優しい子だな！」
「……そーゆーのやめてください。なんか恥ずいんで」
思春期にそのような態度はよくありません。
この人は、どこまでも真っ直ぐに生き過ぎだと思う。俺なんかには眩しくて目が潰れそう。
「……と、茶番もこの辺にして。例の服はどこにありますか？ 俺のではないので、汚れとかがあると困っちゃうんです」
もう一度、俺のではない、と強調して言う。
事実、自分のものだったら汚れても洗濯して終了だけど、人のだから少しでも汚してしまうのは気が引けるのだ。
しかもかなり衣装に拘りを持ってそうな人たちだったし。
「少し待っていてくれ。それならここに……はい、これで当っているか？」
「わっ、ありがとうございます！」
袋の中を覗けば、服が綺麗に畳まれていた。
ハンカチを取り出すついでにやってくれたのだろうか。根がいい人だ……うわ、やっぱり眩しい……！！
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サラ(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます！！ 後編まで書いてくださりありがとうございます。宜しければパスワードの方教えていただけると幸いです。 (5月8日 15時) (
レス) id: 57059d652a (このIDを非表示/違反報告)
koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
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