噂の彼女は*１ ページ7
「袋は……あった！」
机の横に掛かっている袋の中身を確認する。
入っているのは手芸部の人たちに(強制的に)着せられたワンピースと、ずっと借りっぱなしだったハンカチ──な、はずなのだが。
「あれ、ハンカチがない……。なんでだ」
服に埋もれているのか見当たらない。
ここで探しても良いのだけど、先輩を待たせている状況というのはよろしくないと思い、袋を手に提げて教室から出ると。
「うわっ」
目の前を横切ろうとしていた人とぶつかりそうになり、咄嗟に身を引いた。その人も思わず急ブレーキをかけちゃったらしく、中途半端な格好で動きを止めていた。
「ごめんなさい。怪我は……」
ないだろうけど、一応。
確認のため顔を見ると、そこには、僅かに目を見開いた……えっっおんなのひと？ あ、あれ。なんでだ。なぜ女の人がここに……？？？
ハテナを浮かべていると、女の人はこちらが申し訳なくなるくらい頭を下げた。こちらこそごめんなさい、と。
「いや、それは全然。俺が前を見ていなかったせいだし……」
なんとか声を振り絞るが……。謎は消えない。
困惑する俺をお姉さんはじぃっと見つめると、それからぱちくりと不思議そうに瞬きをした。そして「女の子……？」と小さく呟い──待ってすっごく聞き捨てならない！！
「まだ無名だから知らないでしょうけど、俺は男ですよ！ ていうか、俺のことより問題はあなたですからね！ どうして女の人がここにいるんですか？」
ムッとしながら伝えると、お姉さんは「えっ、うそ、ごめんなさい」と謝ってから｢私、プロデュース科に転校してきたばかりで……」と眉を八の字にした。
「プロデュース科？ ……あっ。新しく設立されたっていうやつか」
少しだけ噂を耳にした気がする。
なんでも、転校して間もないというのに凄いことを成し遂げている敏腕プロデューサーとかなんとか。
一体どんな仕事できます系の人かと思えば。
なんだかパッとしないというか、表情が乏しいというか。暗いわけじゃないけど……。この癖強学校でやってけるのかな。
「転校生さん」
「は、はい」
「あんまり無理しないようにね」
まだ怒られるとでも思っていたのか、転校生さんが「えっ」と素っ頓狂な声を出す。
「ここで女の人は転校生さんだけだし、そのせいで怖い目にあうこともあるかもしれないから……。俺もそういうの慣れっこだからさ、きっと話くらいは聞けると思うんで。なんかあったら相談してください」
にこっと笑いかけて、それじゃ、と手を振れば。転校生さんはハッとして頷いた。
*
転校生…女の子仲間？と本気で思った
メタく言えばAのキャラエピ1話
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koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
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