ヒーロー発見*５ ページ6
あれから「男とはなんだ」と哲学的なことまで考え出したお兄さんに、深海先輩が軽く手刀を食らわせて静めた。
……正確に言うなら、沈めた、だけど。
それから「ちあき〜おきてくださ〜い」とお兄さんの顔面に水鉄砲を発射し、お兄さん無事復活。
「おはようございます、ちあき」
「おはよう奏汰。すまない、眠ってしまっていたようだ」
「きっと『ねぶそく』ですね」
あれだけ早い手刀をしておいて、天然っぽい笑顔で可愛こぶりやがった。恐ろしい子！！
「そうか、言われてみれば寝たおかげで頭が少しスッキリした。今の時代、男だの女だの考える方が野暮というものだな。それでは、俺も自己紹介をさせてもらおう！」
まさか騙された、だと……？？
戦慄しつつも、まあいいか、と思考を瞬時に切替える。この学院にいる限り細かいことは気にしちゃ負けなのだ。いちいち反応してたら体力が持たないので。
というわけで。あっ自己紹介ね、おけおけ、なんて気楽に構えていたのだが──お兄さんの『自己紹介』は一味違った。
「赤い炎は正義の証！真っ赤に燃える生命の太陽……！」
「………は？？」
「流星レッド！守沢千秋……！」
自然な流れで変身ポーズのような動きをして、にかっと白い歯を見せるお兄さん。
おかしいな。最後に決めポーズをした瞬間、シャキーンと効果音のようなものが聞こえてきたし、なんなら背後に爆風のようなものが見えた。あ、俺も寝不足かなぁ。
「以後よろしく頼む！」
「は、はい……」
一体なんなんだこの人は。
気圧されてたじろぎながらも拍手してしまう。お兄さん……えっと、守沢先輩は、嬉しそうににこにこしていた。
「ヒーローみたいな前口上(？)ですね」
「ヒーローだからな」
「あっヒーローなんだ」
ウインクする先輩はさすがに喧しかった。顔が。
これじゃあ道路で助けてくれたときとは大違い……あ。
「先輩、ちょっとここで待ってて貰えませんか」
あのときパンを貰うのと一緒に、ハンカチを受け取っていたんだった。
「構わないが、いきなりどうし」
「すぐ戻りますんで！じゃ！」
そう言い残して、返事を聞かず自分の教室へと駆け出した。
-
守沢千秋…純情。おまえ、プロデューサーのことはナチュラルに抱きしてるよな、って？ そこはほら、後輩と「見知らぬ女の子(男)」の違いです多分。いっけなーい遅刻遅刻！の少女漫画展開もあり無駄に意識しちゃってた…と思う。多分。そのはず。知らん。
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koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
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