青い鳥と魔法の色*３ ページ34
「せんぱい、せんぱい。そろそろ行かないと、ししょ〜に怒られちゃいます」
「ああ、確かにそうですね」
宙がつむぎ先輩の制服の裾をくいくい引っ張ると、先輩は困ったようにはにかんだ。
「じゃあAくん、俺たちはここで……っと、そうだ。ちょっと待ってください、確かバックの中に……」
そう言って、つむぎ先輩はごそごそと手に持っていたスクールバックの中を物色しだす。
「ん、ありました！これ、よければ使ってください。その衣装の色に合うと思いますよ」
「えっと、シルクハット……？あ、小さいからミニシルクハットかな」
手渡されたのは、片手ひとつ分くらいの大きさのシルクハットだった。なぜバックに入ってるんだというツッコミは、メンドーだからやめておこう。
黒がベースになっていて、シックに纏められている。なぜかフリルが多いけど、あのワンピースほどじゃないのが救いだ。
「付け方わかりますか？試しに俺が付けてあげるので、後ろ向いてください」
言われるがままにつむぎ先輩に背を向ける。つむぎ先輩は「ちょっと失礼します」と断りを入れてから、俺の髪に優しく触れた。
「ハットのつばの部分にヘアピンがあるので、それをパチンと留めれば……はい、完成です♪」
その声を聞いてつむぎ先輩の方に向き直ると「わぁ、可愛いです♪」と褒められた。続いて宙も、にこにこ笑顔で賛辞してくれる。
「Aちゃん、『女の子』みたいな〜？とっても似合います！」
……なんか相手に悪気がないぶん複雑だな。
「それより。これ貰っちゃって良いんですか？高そうですし……」
「気にしないでください。俺が作ったものなので、お金を貰うほどのものじゃ……」
「えっ、これつむぎ先輩が！？凄い！」
「それほどでもないですよ〜♪俺も一応手芸部なので」
マジか、不器用そうなイメージだったのに。
「というかAくん。引き止めたのは俺ですけど、ここで油を売ってても大丈夫ですか？」
「えっ、あ！そーだ急いでるの忘れてた！それじゃつむぎ先輩、ハットありがとうございました！二人とも、よければ夏目先輩を誘って余興ライブ見に来てね〜！！」
手を振りながら、全力疾走で廊下を駆け抜ける。
蓮巳先輩にバレたら怒られそうだけど、バレなきゃ校則違反にならないし良いか！
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サラ(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます！！ 後編まで書いてくださりありがとうございます。宜しければパスワードの方教えていただけると幸いです。 (5月8日 15時) (
レス) id: 57059d652a (このIDを非表示/違反報告)
koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
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