奇縁な遭遇*２ ページ22
「手を抜いたつもりはないけれど、あのパフォーマンスはお世辞にも最良だったとは言えないもの。そうじゃなくても、ほら、ね。あったじゃない？……いろいろと」
最後の言葉だけ一層声を潜めて、困ったように笑う。心中お察し致します。
「だから、あれで惚れられても困っちゃうの」
その台詞は自信に満ち溢れていた。
「それにわざとぶつかったのかどうかくらいわかるわ」
「もう、それなら心臓に悪いこと言うのやめてくださいよ…。厄介オタク認定されたかと思った」
｢ごめんなさいね、あまりにも揶揄いがいがありそうだったから。ほら、そんな顔しないで。可愛い顔が台無しじゃない。今になって思うけど、さっきので顔に傷が付かなくて良かったわ｣
安心したように眉を下げて笑ったお兄さんは、次の瞬間、ほんの少しだけ咎めるように眉を寄せた。
｢おてんばも程々にしないとダメよ、お姫様」
………は？
一瞬、思考が停止しかけた。
｢元気なのはいい事だけどね。あんまりにもジャジャ馬が過ぎると、いつか出会う素敵な騎士様が困っちゃうわよ。あっ、それとももう出会ってたりして！やーん、羨ましい！」
「えっ。あの、騎士様って……」
なんの話だ。ちょ、お願い、勝手に一人で盛り上がらないで。説明ぷりーず。
「もうっ、とぼけちゃって！」
照れ隠しだと思われたのか、お兄さんは興奮したように両腕を上下に振って「青春ね！もうドキドキしちゃう！」と続けた。
とぼけてません。全然まったく！これっぽっちもとぼけてない！！Aパニック！
乙女のように目をキラキラさせているお兄さんに、あっどうしよう！新しい絡まれ方だ！お初だ！と困惑で何も言えずにいると。
｢なるちゃーん！こんなとこで何しとんの？｣
たったっ、と人の駆け寄ってくる足音と共に、呑気そうなぽわぽわした声音が聞こえてきた。
「あら、みかちゃんじゃない。今日は一日中、校内アルバイトじゃなかったの？｣
するとお兄さんの注意が逸れた。
どうやらお知り合いっぽい。良かった。ありがとう、どこぞのみかちゃんさん。俺がほっと胸を撫で下ろしている間にも、みかちゃんさんが「いま丁度休憩中なんよー」とのほほんと答えていた。
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koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
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