追憶＊道化の奇策縦横*１(Noside) ページ39
それから数日後。
Trickstarが紅月に勝利をおさめた日のこと。
泣きじゃくるAを渉が甲斐甲斐しく慰めてから、はや数十分が経過していた。
五奇人の一人であり、道化師と謳われている日々樹渉は、夢ノ咲学院の廊下を薔薇で彩りながら、ある場所へと向かっていた(因みに薔薇は鳩が回収している)。
不意に彼は立ち止まり、目と鼻の先にある扉の前でにっこりと意味もなく微笑む。
何かサプライズを仕込みましょうか、なんて考えてから、残念そうにため息をつく。なにぶん真面目な話があると呼び出されたもんで。いや空気を読む必要などないけれど。だって空気を物にしてこそ道化だもの。閑話休題。
3回、ノックノックノック。
「お待たせしました」
「窓から入ってこないなんて……。日々樹くん、もしや体調悪い？」
預かり知らぬところで驚かれた。Amazing！
ぱちくりと瞬きしているのは、彼をここに呼び出した張本人である朔間零だ。先程までライブをしていたからか、夜といえど疲労が伺える。
「なんのご用でしょう。ただお喋りがしたかったから、なぁんて言いませんよね。私はそれでも構いませんけど！」
「我輩もそんな楽しい話ならいくらでもしたいくらいじゃが、そうも言ってられん状況になってきてのう」
「ほう。それはまたどんな？」
検討がつかないと言いたげに首をすくめる渉に、零は「分かっておるくせに隠すのは懸命とは言えんぞ？」と微笑んだ。
「わんこがAくんの周りでたびたび日々樹くんの鳩たちを見かけるそうで……。となれば、それなりに情報は耳にしとるじゃろう？」
「やはり魔王陛下に隠し事はできませんね。私、これでもバレないように徹していたのですけど」
「うちのわんこ、鼻だけじゃなく目もいいんじゃよ」
「それはそれは。素敵な飼い犬くんだこと」
忍び笑いをしながらウインクする道化師。
零はやれやれと肩を竦め「かわゆくない……」と本音をポロリと漏らした。
「ふーむ。話の流れからするに、零が私を呼び出した理由はAくんですか」
「ご名答」
その返答を聞いた渉は、不意にポンと鳩を取り出して。慣れた手つきで自分の腕の上にとまらせると、頭を人差し指でやさしく撫でながら問いかけた。
「遅い時間に失礼、ウィリアム。あなた、Aくんを監視──いえ、危険なことがないか見張っていましたけど、最近身の回りで怪しい影は見ましたか？」
鳩は可愛らしく首を小さく傾げた。
が、渉にはなぜか通じたらしく、うんうんとしきりに頷いていた。
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです！これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます！！ (2020年1月11日 23時) (
レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです！！pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します！！これからも影ながら応援しております！頑張ってください！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです！続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……！ (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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