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追憶*神様の阿鼻叫喚*1(Noside) ページ36

「あれは、ぼくが『ふんすい』で『みずあび』していたときのことでした」


*

まだ肌寒い季節の中。
夢ノ咲学院に建てられた噴水で、深海奏汰が朧気に水に浸かっていた。

五奇人と謳われるだけあってその才能は素晴らしいものなのだが。いかんせん、そんな不可思議な行動を取る彼は、一般の生徒から遠巻きに見られていた。

その影響もあり、深海奏汰は、あまり人と関わりをもたない。

しかしひょんなことから、珍しくも後輩と仲良くなったのだ。何を考えてるか分からない彼を、大抵の後輩は恐れるはずなのに。Aだけは、臆すことなく会話を続けた。

(あしたもあえますかね。あのこにあげた『にゅうどうかじか』の『ようす』がきになりますし、『きんきょうほうこく』をきいてみましょう)

朗らかに噴水の縁で頬杖を付きながら思案していた。

が、その柔らかな表情も、ある集団がやってきたことにより打ち払われる。

「でさ。あいつ、正直どうよ」
「あの新入生だろ? 名前なんだっけなぁ」
「バレてないと思ってんだろうけど、いやーな顔してんのバレバレ。まじウケる」

笑いながら、不穏な会話を繰り広げる三人の生徒。彼らは先程までテニスコートでゲームをしていた連中だった。

(……あまり『すてき』な『はなし』ではありませんね。にんげんはどこまでも『おろか』で『よくぶかい』……)

冷めた心地でその会話を聞く。

いつもなら気にせずぷかぷかしているところなのに。なぜかそのときばかりは、いやに三人の会話が耳に入ってきた。

「あの顔で男とかバグだろ」
「な。あれはワンチャンいけるわ」
「やめとけやめとけ。ピーピー喚いてうるさそうだし」

そんな話をして。ふいに、1人がぽんと手を叩いた。

「あっ思い出した。城崎A、だろ?」

その瞬間。
どくん、と心臓が大きく跳ねた。

嫌な予感が的中してしまった。奏汰は怒りが激しい波のように広がるのを感じつつ、いますぐあの三人に手刀をお見舞してやりたいのを必死に堪える。

その間も、三人は会話を続けていた。

「最近の1年ちょっと調子のりすぎだわ。ほら他にもいただろ、生意気そうなやつ。ピンク髪の」
「ありゃダメだって。いいとこの坊っちゃんだぜ」
「んじゃ、見せしめに絞めるとしたらAってやつか。どーする?いつ呼び出す?」

本格的にAを狙う計画を立てるようだ。

奏汰は急いで大好きな噴水から出ると水が滴るのを気にせず、校舎へと駆けた。


(『かいようせいぶつぶ』にみずでっぽうがあったはず……。すくなくとも、いちじしのぎにはなるでしょう。それから、れいやわたるたちに『そうだん』して……)


時間は、残されていない。

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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです!これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます!! (2020年1月11日 23時) (レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです!!pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します!!これからも影ながら応援しております!頑張ってください! (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです!続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……! (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:苺バニラ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年10月14日 12時

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