急転直下*１ ページ32
「ふぅ。これで全部じゃな、まったく骨が折れる。おじいちゃん的にはちいと酷じゃった」
最後の一枚となったプリントを零先輩から受けとる。
「ありがとうございます！……と、言いたいところですけど。零先輩、今のを含めて三枚くらいしか拾ってないですからね」
拾ってくれたのは、ほとんどが日々樹先輩の飼ってるハトたちだ。深海先輩はぷかぷかで濡れてるからプリント破けたし、日々樹先輩は紙をマジックで消そうとするし……。
「そんなこと言われてものう。ほら、我輩おじいちゃんじゃから。まだ太陽の日差しが照っておるし、力が出ないんじゃもん」
「ぼくは、ひろおうと『どりょく』しました。でもAにとめられてしまいましたね……？」
くぅっ。ああ言えばこう言う！！
「AくんAくん」
「なんですか日々樹先輩。今度はなんのマジックです？」
「いえ。期待を裏切ってしまうようで心が痛みますが、そうではなく」
日々樹先輩は「乞うご期待！」といらん言葉を残してから、一枚の紙を差し出してきた。
「落ちていました」
「ありゃ。拾い忘れかな──って！そ、それは！」
俺が制服のポケットに入れていたはずの脅迫状！！
「巨悪の根源！もうっ、こんなのシュレッダーにかけてやる！変なの寄越しやがって……」
「酷いです！」
「そうですよね、酷いですよね！こんなもの書いてくるなんて、」
「Aくんったら酷いですよ！」
「俺？！」
しくしくしく、と泣きの演技をする日々樹先輩。なんで？なんで俺が酷いの？！
「私が丹精込めてしたためたのに……！それをシュレッダーにかけるだなんて……ぐすんっ」
「は？私がしたためたって……待って、どういうこと？」
理解が追いつかない。えっと、つまり。
「この脅迫状、日々樹先輩が送ってきたんですか？！」
びっくりして思わず詰めよれば。日々樹先輩は、はた、と首を傾げた。涙は当然すぐ消えた。
「脅迫状？なんの話です？」
「しらばくれないでください！」
ここまで大胆に俺の命を狙うと書いておきながら、なんて白々しい返事なんだ。見損なった。
「ふむ……。その手紙、少し拝借するぞ」
ヒョイと零先輩が手紙を取っていく。
しばらく黙って内容を読んだあと「どちらとも取れる手紙じゃのう」と俺に返してくれた。
どちらとも取れる？言っている意味が分からなくて、もう一度だけ手紙に目を通す。
そこには何度見てもやはり『あなたの命を狙っています』と書かれていて。これ、どこかどうみても俺を脅す文章だよなぁ、と改めて思う。
訝しげな顔で零先輩を見つめると、「こういうことじゃよ」と困ったように説明を始めた。
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです！これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます！！ (2020年1月11日 23時) (
レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです！！pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します！！これからも影ながら応援しております！頑張ってください！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです！続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……！ (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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