前兆*２ ページ25
「いい加減にしてください。ピッタリくっついてこられると動き辛いです」
「好きでくっついてるわけじゃないもん！勘違いすんなよっ、司のバーカバーカ！」
「なら離れたらどうです？」
「うぐっ。そ、それは……いいだろ別に！」
放課後。
何者かに命を狙われている俺は、一日中誰かに付きまとっていた。よく考えればここは夢ノ咲学院アイドル科。男子しか通っていないのにラブレターを貰えるはずがないのだ。ちくせう。
「移動教室のとき腕に絡み付いてくるのはまだしも、お手洗いに一緒に行こうだなんて……。敢えて言います。女子ですか」
「違うやい！」
これも全て脅迫状のせいだ！
「ね、一緒に行こうよ。……ダメ、か？」
絶対離さないからな、と司の制服の裾をぎゅっと握りしめながら、恐る恐る問いかければ。僅かに目を見開いた司が苦虫を噛み潰したような顔をした。
「無自覚はこれだから……」
「む、？ なんのこと？」
「そういうのは桃李くんだけでお腹が一杯です。……こんなことするなんて、らしくないですよ。何かあったのですか」
ギクリと体が強張った。
脅迫状の件は誰にも話していない。一人になって命を狙われるリスクを増やすより、真実を言って着いてきてもらった方がマシだ。よし。
「実はきょ──」
脅迫状を貰ったんだ、と言いかけて、ふと思う。
脅迫って普通は人に話しちゃうとまずいんじゃなかったっけ？ ほら、テレビとかでよく犯人が『警察や他人に知らせるな』なんて言ってるし。俺としても脅迫されているという事実を多くの人に知られるのは避けたい。これは、なんとしてでも誤魔化さないと！
「きょ、きょ、凶が出たんだ！おみくじで！」
「おみくじって……。正月でもないのに引いたんですか？」
「そう！引いたの！」
嘘だけど。
でもそんなことを言ったら「では何を隠しているんです？」と返されてしまう。こうなった以上これで通すしかない。
「水難の相が出てたから一人でトイレ行きたくないなぁ、なんて」
「占いに振り回されるのは些か不本意ですが、まあ、仕方ありませんね。着いていってあげま──」
言いかけたとき。司の端末から着信音が鳴った。
失礼、と一声かけてから応対した司は、しばらく相手の声に相槌を打ったあと電話をきった。
「Knightのお兄さま方から緊急meetingの呼び出しを受けたので、お手洗いには一人で言ってください。では」
「えっ？！ ちょ、うそ！」
無慈悲に立ち去る司。
こ、この！裏切りもーーーん！！！
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです！これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます！！ (2020年1月11日 23時) (
レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです！！pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します！！これからも影ながら応援しております！頑張ってください！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです！続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……！ (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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