ファッションショー*４ ページ28
しぶしぶ鏡を見る。丁寧に磨かれたそこには、メイクや髪を綺麗に整えられた俺の姿が映し出されていた。
──紺色をベースにした、西洋の女学院の制服で。
「ゴふ！？」
喉から有り得ない音がした。
なんっだこれ！？俺か！？これが、俺なのか！？
「実に素晴らしい出来栄えだ」
「ほんまお人形さんみたいやわぁ」
二人が満足げに微笑む。しかし、そんなこと気にしている場合ではない。
何度見ても、鏡に映るのはヒラヒラのスカートを履いた女の子(俺)。自分で言うのもなんだがかなりレベルが高いと思う。マジで遺憾の意。
「なんだよこれぇッ……！」
道理で足がスースーすると思ったよ！男にこんなものを着せて楽しいのかな。いや、そもそもこの人たち──俺が男だってわかってない？！
ハッと思い至り、慌てて訂正する。
「あの、俺は男ですよ！女物なんて」
「似合っているのだからさしたる問題はないだろう？」
「大問題です！！」
思わず反論してから、はた、と俺は動きを止める。
斎宮先輩のこの台詞。まるで、男だとわかっていながら女物を渡してきたような…？
「まさか、俺のこと男だってわかってて？！」
「何を当たり前のことを。その程度のこと、骨格を見ればわかるさ」
まさしく驚愕。となると、影片先輩もわかっていたのだろうか。
「男の子？え、どういことなん？」
「あ、よかった。わかってなかったんですね」
いや良くはないけど。平気で女装をさせる人と比べれば何百倍とマシ。
「何を恥じらう必要があるんだ。こんなにも可憐で麗しいというのに」
「俺は男だと言ってるんですよッ！」
ついカッとなって怒鳴ってしまうが、斎宮先輩はまったく堪えていないようだ。ふふん、と得意げに笑っている。
「さて、次はどうしようか」
「この状況でまだやるんですか？！」
「もちろん」
勘弁しろください。
これはまずい、なんとか阻止しないと。俺が解決策を模索している間も二人は衣装を物色している。……そうだ！わざわざ戦わなくても逃げてしまえばいいんだ！
「っ、今のうちに」
俺は近くにあった自分の制服を手にし、音を立てないよう廊下へ滑り出た。そして細心の注意を払ってその場を後にした。
＿＿
斎宮宗…可愛いものが可愛い格好をして何が悪い。
影片みか…お師さんが言ってるからきっとそうや(そうはならんやろByA)
(作者)
気づいたんですけど、この頃の斎宮宗って家に引き篭っててみかちゃんに介護(？)されてる状態でしたね。めちゃくちゃ元気なお師さんを捏造してしまった……。だって追憶の時間軸難しいんだもの(涙)！！！
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苺バニラ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！そう言って頂けると、嬉しい限りです！更新が遅めになっていて申し訳ない気持ちで一杯ですが、これからも頑張ります！ (2019年8月20日 14時) (
レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
りな - 凄く良かったです!!面白かったです!!更新無理をせず頑張ってください！応援します!! (2019年8月20日 10時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - りさこさん» ありがとうございます(*´ω｀*)とっても嬉しいですし、励みになりました！りさこさんは優しい方ですね！今後も頑張ります!! (2019年7月29日 7時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
りさこ(プロフ) - 更新お疲れ様です！とにかく最高でした！！これからも応援してます！！ (2019年7月29日 0時) (レス) id: c7281289de (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - 夜桜ナイフさん» ありがとうございます！時間が空き次第でよければ、拝見させてもらいますね！ (2019年7月14日 16時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
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