お騒がせトゥイードル*４ ページ14
確かにこの二人がいなければ、今でも絡まれていたかもしれない。けどそんなのもの結果論だ。
そんでもって。折角人が、助けてくれた二人のために美味しいものをと思っていたのに。それを『お礼なんか』だなんて。
……つまり俺の気遣いはどうでもいいと？
勿論、勝手に奢るとかほざいて拒否されたくらいで怒るなよって話だけど。でも、それにしたってあの言い方はないんじゃないの。流石に酷いんじゃないの。
考え始めると苛立ちはさらに募り始めてきた。つい語気を強めてしまう。
「なに怒ってんの。慣れてるから良いって言ってるだけじゃん」
「慣れてることと、対処できるかどうかは違うでしょ。アニキと少し見てたけど、Aくん全然抵抗してなかったじゃん」
「かといって、助けを求める素振りもなかった。むしろ、周りを頼ろうなんて考えもしなかったでしょ」
……そんなの、当たり前じゃん。
だって蚊くらい一人で追い払える。それに、あいつらはちょっと血を吸って満足すればどっか行くんだから。最悪、一人で耐え続けていればいつか終わる。
だから、今回だってなんとかなった、と思う。きっと、多分。
「君は小柄なんだから、もし本気で抑え込まれたら反撃する間もなく連れ去られちゃうよ」
「アイドルにとって顔は最大の武器なんだからね。傷でもついたら大変でしょ」
ひなたとゆうたの些細な言葉が全て俺の頭を熱くする燃料になり。そして、その後のひなたの一言で俺の頭は完全に沸騰してしまった。
「Aくんをどうこうしようとする輩がいないとも限らないんだから、そのためにも」
「うるさいっ！二人のバカっ！！」
叩きつけるように叫ぶ。
なんだよ『どうこうしようとする輩』って！女の子じゃあるまいし、どうこうされるわけないだろ！？バカにしてくれたもんだよ！せっかく人が、二人のためを思って色々と考えていたというのに……！
「どうせ俺は男らしいとは程遠いよっ！人の気も知らないで勝手なことばかり言いやがって！」
少しでも恩を感じた俺がバカだった！
「ち、違うよ。ちょっと落ち着いて！」
「俺たちはただ心配で、」
「その心配が不要だって言ってるんだ！どうせ俺を助けたのだって、女の子みたいに弱そうだったからだろ！？いいよ別に無理しなくても！もうほっといてくれ！！」
言い捨てて俺はその場から駆け出した。
＿＿＿
葵ひなた…信号機トリオから逃げるときにAの腕を掴み(ほっっっそ！？え、なにこれ棒なの？棒なの！？棒だね！？)と内心慄いた
葵ゆうた…お礼なんかでお金を使うなら、自分で食べたいものをいっぱいお食べ…じゃないと腕ポッキリいくよ…。兄と同様慄いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1540人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
苺バニラ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！そう言って頂けると、嬉しい限りです！更新が遅めになっていて申し訳ない気持ちで一杯ですが、これからも頑張ります！ (2019年8月20日 14時) (
レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
りな - 凄く良かったです!!面白かったです!!更新無理をせず頑張ってください！応援します!! (2019年8月20日 10時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - りさこさん» ありがとうございます(*´ω｀*)とっても嬉しいですし、励みになりました！りさこさんは優しい方ですね！今後も頑張ります!! (2019年7月29日 7時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
りさこ(プロフ) - 更新お疲れ様です！とにかく最高でした！！これからも応援してます！！ (2019年7月29日 0時) (レス) id: c7281289de (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - 夜桜ナイフさん» ありがとうございます！時間が空き次第でよければ、拝見させてもらいますね！ (2019年7月14日 16時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
