*失われた記憶は知っている*

三の感情。 ページ5

そのニュースが流れ、
緊急で若武の家に黒木と彩が集まった。








｢っ！くっそ！
どういうことなんだよ！｣
テーブルに手を打ち付ける若武。





｢落ち着こう。

ホシは、外れていたんだ。｣
悔しそうに横を向く黒木。





｢…………｣
ギュッとスカートを握りしめる彩。








ピリピリとした空気がその場をかけていた。

犯人の目星が壊され、何の情報も もう 手元には残っていない。





お互いに、それぞれ 仲間への心配がより一層深まった。








｢……とにかくだっ！
考えを改めねぇと、あいつらを救えねぇ！｣





｢……うん。｣





｢アーヤ、ノート。
…………新しいページな。｣





｢…………うん。｣






｢……………｣









彩は、ノートの新しいページを開き、ペンを握る。
新しいページには、何もかかれていない真っ白で。




それが、余計に苦しくなった。

　


　
　



｢題名は、KZ行方不明事件、っ、でいいだろ。｣









若武の声にはどこか震えが篭っていて。





彩は頷き、事件名を書いていく。





黒木は、顔が見えない。









｢被害者、

小塚 和彦
上杉 和典
美門 翼

計三人だ。


その三人は、俺達チームの…メンバーだ。｣









彩は、若武の言葉を文字に変えていく。







恐怖と、不安と、悲しみが、彼女たちを包み込み。








光は、



いつ 見えるのだろうか。

涙。→←犯人。

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