*失われた記憶は知っている*

何で。 ページ28

｢それじゃリスクが大きいっつってんだろ！｣


｢じゃ、どうすんだよっ！
他に出口はねぇんだぞ！?｣





大きな声がして意識を取り戻す。

この声は、
若武と上杉くん?






｢ちょっ！二人とも！静かに！｣


｢アーヤが寝てるんだ、抑えろよ。｣


｢頭を冷やそう。｣







三人の声もする。

……瞼を持ち上げた。





そして見えたのは、

青筋をたててる若武と上杉くんの姿。
そして、その二人を呆れるようにして怒る三人。



……あれ、私 どうしたんだっけ?







朦朧する頭。

持ち上げようとすると重く、痛みが指す。


　



……そうだ、私 また 倒れて……………









………………ここ…



何だろう。

初めてきた って、思ってたのに、今見返してみると……






………私 知ってる………







………ここ、何でかわからないけど 知ってる…




気がする、じゃなくて 知ってる。









何で?

最初はそんなこと思わなかったのに。

ううん。

多分、どこかで気づいてたんだ。

懐かしんでしまう、そんな気が。





………懐かしんでしまう?









……………違う、

違う、違う違う違う！







懐かしいんじゃ、ない。









……………怖いん、だ……









＿＿＿＿＿何で?









｢……全く。


………！
アーヤ、目 覚めたの！?｣





｢っ！アーヤ！?
……良かった、心配したんだかんな。｣





｢………もう、大丈夫なのか?｣






｢? 聞こえてる?
アーヤ?｣







｢様子が、おかしい。｣









…………………みんな……

きっと。→←蘇る。

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