*失われた記憶は知っている*

痛み。 ページ17

"ばーか 何やってんだよ。"


"危なっかしいよね、本当。"


"そんなに言わないで！"







頭が痛い。

脈打つようにどんどん痛くなって来る。









｢? アーヤ、どうした?｣
若武が私に気づく。




これ以上、心配をかけたくない。





｢何でもないよ。｣
ニコリと笑って見せる。









"きゃあ！"


"っ！何すんだよ！"


"大丈夫！?"






はあ、はあ、はあ、

呼吸が 苦しいっ………







｢……アーヤ?
顔色悪いけど、本当に大丈夫?｣
翼が顔を覗き込んでくる。






｢っ、大丈夫っ。
多分少し疲れが出ただけだと思うから。｣
そして私はまた、笑う。









"お！これ使えんじゃね！?"


"そ、そう?"


"……………"








胸が締め付けられる。

苦しい 辛い


けど、我慢しなくちゃ………







｢………アーヤ、もしかして 頭痛いんじゃない?｣
見透かしていう黒木くん。






やっぱり私って、
わかりやすいのかな?








そこで視界が傾いて、






真っ黒になる。








皆の 私を呼ぶ声が 遠退いていった。

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