*失われた記憶は知っている*

心配。 ページ15

連れて来られたのは、
きっとこの倉庫内のどこか。




｢あ、の…誰、ですか?｣





目の前に、二人が立って、
私の後ろに一人が立ってる。




私が問い掛けると、目の前にいる二人が顔を見合せる。







｢……とぼけてるのか?｣







何のことだか、さっぱりわからない。

首を傾げると、
また 顔を見合せる。




すると、



｢本当だったようだな。
もういい、連れていけ。｣

そういわれて私はまた腕を引かれる。







そしてその部屋を何もすることなく、後にした。








一つ、気になったことがあった。




………私、この人たちに、あったことが ある?









｢アーヤ！｣





また、皆がいるところに戻された。
皆は、私を引っ張ってきた人を睨む。






｢立花に何もしなかっただろうな！｣



｢それは、そいつに聞け。｣






上杉くんの言葉を軽く流し、その人は扉を閉めて行ってしまう。


足音が聞こえなくなると、皆が一斉に話しかけて来る。






｢何もされなかった！?｣


｢怪我は！?｣






心配してくれる皆に、微笑んで、大丈夫 そう一言 言った。

微笑んだ私を見て、良かったと肩の力を抜く皆。





………また、心配させちゃったな……









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