114、事態は少しずつ進んでいる ページ16
まあともかく。
そう言って曙は少し真面目そうな顔をして話をし始めた。
「それで、今回使用されていた毒なんですけどね、面白い事が判明しました」
丁度Aさんが来てくれてよかった、とそう言った曙は近くにあった椅子に腰を下ろした。
…毒について面白い事が判明したって…一体。
「Aさん、あなたに使われていたものも、赤信さんに使われていた毒も同じものです。どうぞ、聞いていってください」
「…はい。あの、隊長」
「へいへい」
隊長の腕が離れ、少しホッとしてから曙の方を見る。
「この毒は通称、赤薔薇の毒、と言いまして。まあ名前の通り赤い薔薇のみに生成される毒素を元に作られたものです。薔薇とは言っても地球産のものではなく他惑星からのものですが」
赤薔薇の毒、か。
なんとも安直な名前というか、なんというか。
「そしてこの毒には色々特徴があるのですけど、それは今は置いておきましょう。
問題は、今回使われたこの毒は赤薔薇の毒を少し改造してあったものでした。きちんと解毒剤が効いて本当に良かったです」
「…改造って、一体」
「端的に言えばほんの少し脳に回るように設計してあったんです。ほんの少量を脳に回すことにより、言う事を聞きやすくさせる…まあ洗脳的な効果を付けたかったのでしょう。
Aさんも赤信さんもきちんと自分の意思で動いている様子ですので、心配はないと思いますが…。念のために周囲の人間が観察してあげる必要があると思います」
「成る程な。つまりアイツらの目的は俺らを殺す事じゃなくて」
「君たちを操ってなにかをしたかったのでしょうね。二回とも失敗したと考えるべきか、それとも今この現状すら作戦なのかは分かりません。十分に注意してください」
つまり…影を操って何かをしたかった可能性があるという事か。
これはいよいよきな臭くなってきた。
「パンダは常に俺と一緒なんで安心しなせェ」
「あ、有難うございます」
本当に常に隊長と一緒にいないとまずいかもしれない。
私が意識していないうちに洗脳されていて、なんて事になった場合私をさくっと殺せるのは…隊長くらいしかいない。
「赤信はどうするつもり?」
「俺か…クッソ面倒だが暫くは青いのと組ませてもらう事にしるわ。俺をヤれんのはアイツくれぇだろ」
「青維か…。今は京にいるのだったか」
「松平様には報告済みですので、きっと青維さんもこちらに向かっている事と思います」
え、青が帰ってくるのか……。
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からし(プロフ) - 猫とやぎさん» コメント有り難うございます!勉強大変だと思いますがその活力にこの小説がなれるなら嬉しいです^ - ^ 続編はもう公開してますから空いた時間にでも見に来てくださいね! (2020年5月19日 17時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
猫とやぎ(プロフ) - コメント失礼します!!学校が始まり…帰ってくれば塾…と占ツクあんまり見れてなくて死にそうになってたんですけど、この小説見た瞬間生き返りました…!!続編とても楽しみです!!!頑張ってください!!超楽しみにしてます!! (2020年5月19日 15時) (レス) id: 497823dae0 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 常夏さん» コメント有り難うございます!楽しんでいただけているのなら何よりです!是非続編も宜しくお願いします^ - ^ (2020年5月18日 19時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - いつもキュンキュンして楽しませてもらってます! 続編も楽しみです(^^) (2020年5月18日 12時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» 猫とやぎさん、感想をいつもありがとうございます!無事しっかりさせたようで良かったです^ - ^ 明日は更新できない可能性があって今日多めに投稿しましたが、明日も一話くらいはあげられるよう頑張りますね!また見にきてください(*^ω^*) (2020年5月16日 22時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からし | 作成日時:2020年5月6日 21時