103、今のところ異常なし ページ5
『あーこちら土方。異常なしです。どうぞ』
「こちら松平、同じく異常なしです、どうぞ」
『山崎です、あの、本当にやるんですか…?』
『さっさと報告しろザキ』
『こちら異常なしです!!!』
『…こちら加藤ッス。こっちも異変ありませんッス』
「…取り敢えずどこも何も起きていないみたいですね…」
無線機から聞こえてきた報告はどれも異常なし。
つまり誰もまだ幽霊を見ていないという事だ。
現在、夜も更けた頃。
副長、山崎、加藤、私、隊長の計五人で屯所内の廊下に張り込んでいる。
ちなみに加藤は私が巻き込んだ。
人手が足りなかったので。
すまん、加藤。
月明かりが照らす中、廊下を時折チェックしながら部屋で待機をしている。
隊長はあの天人の件が今はまだ片付いていない為、私のそばを離れるわけにいかず一緒にいてくれている。
…と言ってもすっかり寝てしまっているようだけれども。
あの幽霊をなんとかしないと、一人で眠れないし。
先程隊長には幽霊がなんとかならなかったらまた一緒に寝ようとか言ってやがったので本当に今夜なんとかしたいところであるが…。
「幽霊出やしたー…?」
眠そうな声をした隊長に、私はふるふると首を横に振った。
「出てません。というか起きてたんですか」
「そうですかィ。もう終わりにして寝やしょうぜ…。俺眠い」
「寝てていいです。あとはオレがなんとかします絶対」
「そんなに一緒に寝るのが嫌なんで?」
「っ、ゆ、幽霊が嫌なんです!」
正直、また一緒に寝れたら…なんて思う自分もいるけれども。
いややっぱりダメだ絶対心臓がもたない。
「本当は、一緒に寝たいんだろ?」
いつのまにかアイマスクを外した隊長が、真面目な顔をしてこっちを見つめていてどきりと鳴る。
「……」
「沈黙は肯定と捉えるが良い…みてぇだなァ。本当分かりやすい奴」
「う、煩い沖田黙れ馬鹿野郎」
「おーおー。照れちゃって」
「!だ、黙ってろ本当に!」
隊長から目をそらしてまた廊下をチェックする。
一緒に寝たいだなんて、そんな事思ってない!
どちらかといえば別々がいい……はずなんだけれども、あの体温とか、心臓の音とかを思い出すとなんか……。
考えるのやめようなんか危ない気がする。
廊下を左右きっちりチェックしてみるが…異常はない、なあ。
さっさと現れてくれないだろうか。
104、幽霊の正体見破ったり?→←102、本当はまた聞きたい
177人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» コメント有り難うございます!勉強大変だと思いますがその活力にこの小説がなれるなら嬉しいです^ - ^ 続編はもう公開してますから空いた時間にでも見に来てくださいね! (2020年5月19日 17時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
猫とやぎ(プロフ) - コメント失礼します!!学校が始まり…帰ってくれば塾…と占ツクあんまり見れてなくて死にそうになってたんですけど、この小説見た瞬間生き返りました…!!続編とても楽しみです!!!頑張ってください!!超楽しみにしてます!! (2020年5月19日 15時) (レス) id: 497823dae0 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 常夏さん» コメント有り難うございます!楽しんでいただけているのなら何よりです!是非続編も宜しくお願いします^ - ^ (2020年5月18日 19時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - いつもキュンキュンして楽しませてもらってます! 続編も楽しみです(^^) (2020年5月18日 12時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» 猫とやぎさん、感想をいつもありがとうございます!無事しっかりさせたようで良かったです^ - ^ 明日は更新できない可能性があって今日多めに投稿しましたが、明日も一話くらいはあげられるよう頑張りますね!また見にきてください(*^ω^*) (2020年5月16日 22時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:からし | 作成日時:2020年5月6日 21時