123、間接的になら許す(別視点) ページ25
総悟は非常にムカついていた。
(くっそあの女、Aに何言いやがった)
Aの照れた表情を出せるのは自分だけだという自信があったというのに、それを繭はいとも容易く出させた。
そのことが総悟は非常に気に入っていなかった。
言いたくなさそうに視線を逸らすAの腕をさらに引き自分へと近づけると、明らかに困惑したような表情を浮かべ視線を逸らす。
「A……、言えよ」
「………だ、いじに…、て…」
「ハッキリ喋れ」
「っ、だ、だから!繭さんに、隊長に大事にされてるねって言われただけです!!もういいですか!!」
真っ赤な顔をしてもういいですか!と言いながら腕を振り払って先に進むAの後ろ姿をしばらく見て、慌ててついていく。
(……馬鹿野郎、当たり前だろうが)
好きな奴を大事にしねェ奴なんざいねェだろ。
そう小さく呟いてAの隣へ足を運んだ。
相変わらず真っ赤な顔をして少し早歩きをするAの横顔を見て、総悟は笑みを浮かべた。
「そりゃ、大事にしてるからな」
「…っ、う、うるさい馬鹿隊長…っ」
(間接的に俺が照れさせてたわけかィ)
少しほっとしたような、そんな表情を浮かべながら総悟はAの隣を歩き続けた。
「……なあ、沖田君もさ」
「そうアルな。さっさとくっつくヨロシ」
「や、やっぱりそう思いました?」
万事屋に残された三人は、二人が去っていった扉の方を見つめそう呟いていた。
Aが総悟に心を寄せているのは総悟の言葉とAの態度で丸わかりだった。
しかし、それは総悟も同様に言える事で。
「あの犯人の男にちょっと触れてただけですっげー不機嫌そうだったよな?」
「今回の依頼主に耳打ちされてる時もすっごく不機嫌でした」
「パンダを支えた時嬉しそうにしてたアル」
それぞれ言葉を出して、銀時は大きなため息をついた。
「……あいつら男同士だろうが……」
「愛の形は人それぞれネ。細かい事気にしない方がいいアル。……でも、パンダ趣味悪いネ」
あんなクソサドのどこがいいんだか。
そんな事を言いながら神楽はケッと唾を吐き出した。
「……沖田さんの言っていた調理って、なんなんでしょうね。もう両思いなのに」
「あいつはサディストだからなあ。よからぬ事でも企んでるんだろ」
「僕らは知らないフリしてた方がいいんでしょうかね」
「馬に蹴られたいなら止めねぇぞ」
蹴られたくはないなあ。
そう言いながら新八はそっとため息をこぼした。
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からし(プロフ) - 猫とやぎさん» コメント有り難うございます!勉強大変だと思いますがその活力にこの小説がなれるなら嬉しいです^ - ^ 続編はもう公開してますから空いた時間にでも見に来てくださいね! (2020年5月19日 17時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
猫とやぎ(プロフ) - コメント失礼します!!学校が始まり…帰ってくれば塾…と占ツクあんまり見れてなくて死にそうになってたんですけど、この小説見た瞬間生き返りました…!!続編とても楽しみです!!!頑張ってください!!超楽しみにしてます!! (2020年5月19日 15時) (レス) id: 497823dae0 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 常夏さん» コメント有り難うございます!楽しんでいただけているのなら何よりです!是非続編も宜しくお願いします^ - ^ (2020年5月18日 19時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - いつもキュンキュンして楽しませてもらってます! 続編も楽しみです(^^) (2020年5月18日 12時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» 猫とやぎさん、感想をいつもありがとうございます!無事しっかりさせたようで良かったです^ - ^ 明日は更新できない可能性があって今日多めに投稿しましたが、明日も一話くらいはあげられるよう頑張りますね!また見にきてください(*^ω^*) (2020年5月16日 22時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からし | 作成日時:2020年5月6日 21時