爆発〜犯罪者は知っている〜

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「で、運が良いお二人さんはどうしたい？」



「もう行き詰まりだろ。」



「調査が始まってないのに行き詰まりって…」



若武は頭を抱えた。


隙を見つけた私は小塚君に問いかけたんだ。



「ねえ、〈ニトロ〉って何？」



「は？」



上杉君に凄い目で見られた。


私は少しムッとしたの。



「だから、〈ニトロ〉って何？」



すると、小塚君が答えてくれたんだ。



「〈ニトログリセリン〉の事かな？ 爆発物で有名な窒素化合物の事だよ。」



爆発物？ ん？

工場が爆発したのって、もしかしてそれじゃない？

じゃあ昨日聞いた会話って…。


そこまで一人で考えて、私はゾッとしたんだ。


もしかして私、犯罪者の会話を聞いてしまったのかも！


そう思ったら怖くて、みんなに言わずには居られなくなった。


それで、思い切って挙手して言ったの。



「ねえ、私 工場が爆発した事件の犯人、見ちゃったかも知れない。」



そしたらみんな、呆然。


若武なんて目を輝かせていた。



「は？ どう言う事だよ立花。」



「説明してくれる？」



みんなにそう言われて、私は昨日聞いた話を一部始終話したの。


すると、黒木君が言ったんだ。



「そんなに危ない所を目撃するくらいなら、俺が送っていってあげれば良かったね。」



って。


そしたらみんながヒートアップ！



「俺“達”の間違いだろ！」



「俺だって送ってくから。」



「俺なんて学校も一緒だしね。」



「美門！ 同じ学校の特権利用しやがって！」



もう！ 五月蝿い！！

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