マリオネットの本心3【谷山紀章】 (ページ49)

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第147話*Kishow Side ページ49

思わず、目を覚ました

病院でインフルエンザと診断されて、
介抱されては、ずっと寝ていた

高熱による頭痛、関節痛、喉の痛みetc…

寝ているにもかかわらず、
"寝た"とは思えないくらいの気分だ

年末だというのに、インフルエンザ………

自分自身に頭を抱えてしまうわ

近くにあった携帯を手に取っては、
時間を見る

2019年 12月 31日 11:＿＿＿＿＿＿＿

時間を見た瞬間、
一瞬にして、頭が真っ白になったものの、
本能的に、彼女の名前を口にしては部屋を走り回った

息切れをしては、咳が止まらなくなっては、
肩で息をする

彼女が居ない

年末に帰省する話になっていて、
それで＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

テーブルの上からひらりと落ちた小さい紙切れ

実家行ってくる、ゴメン

丁寧に書かれた字だったものの、
自身の名前はブレていて＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

紀章「…………ｯ！」

音も何もしなかったはずだ
…いや、俺の現状を考慮して、
大きな音を立てなかったに違いない

急いで自宅の鍵を持っては、
外へと出る

ひんやりとした空気が肺の方へと運び込まれ、
咳がが出そうになるも、そんなことに構っている余裕はない

階段を駆け降りようとするも、
全身に激痛は走るわ、フラフラしていてそれどころじゃない

…頼むからｯ、今だけでいい
Aの元に行けるまで＿＿＿＿＿＿＿＿＿

一番下に降りては、
蹲り、咳を抑えては落ち着かせる

"大丈夫"と自己暗示をかける

ここで、Aを止めなきゃ、
絶対、後悔する

だから＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

顔を上げれば、かけられた上着
まだ温いそれから香ったのは、間違えるはずもない…

A「薄着のままで、何処行こうとしてるんですか…
悪化しますよ」

自分の付けていた防寒具を次々と俺に装着させた

紀章「…な、んで居んの」

A「僕の戻る場所が、紀章さんの居る場所でもあったから？」

きょとんとしては答える彼女を抱きしめると、
背中を優しく撫でられた

紀章「あんな紙切れ置いといて、とぼけるとか…
流石の俺でも怒るよｯ」

A「あ…」

"それは、ごめんなさい"と彼女は云った

A「部屋に戻りましょう
ここじゃ、悪化しちゃうと思うし
ちゃんと、戻ってきた理由も話します」

キャリーケースと共に謎のレジ袋を持っては、
部屋へと促された