マリオネットの本心3【谷山紀章】 (ページ37)

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第135話ページ37

紀章「やっべぇなぁ…
俺も流石にこの歳だけど、
余裕がない」

A「いや、初恋の人には、
"彼氏が居るから無理、メンゴ☆"って謝りますよ
…多分、あっちも僕が彼氏持ちなのはわかってると思うけど」

紀章「あー、もうやだ…！」

僕の項に額でグリグリしては、
僕を少し強めに抱きしめる紀章さん

A「………言わなければ、良かったですね」

紀章「それは、俺が決めること
…逆に、言ってくれなかったら、
俺、キレてるかも

………でも、知れて良かった
Aのことも、
ついでに伊月ちゃんのことも」

"ついで扱い"は流石の由佳も怒っちゃいますよ

A「余計なことを背負わせちゃいましたね…」

紀章「でもさ、これでAも少しは軽くなっただろ？
俺も伊月ちゃんも一緒に背負ってんだからさ」

A「紀章さん、

＿＿＿＿＿割と、由佳と似たところありますね」

紀章「それは、俺に失礼！」

A「大丈夫、由佳も思ってるからw」

笑っていれば、"ねぇ、"と真剣な声色で問いかけてくるものだから、
黙り込めば、"あのさ、"と更に前置きした

A「あの、僕の勝手な憶測で申し訳ないんですけど、
いや、喋ろうとしているところを遮るのも、どうかとは思うんですけど、
ノリと勢いとパッションで全部、事を済まそうとするなら、
本当に別れ話持ち掛けますよ？」

紀章「俺も本当さ、
余裕ねぇーんだって」

A「少なからず、ノリと勢いとパッションで済ましたくないです
アイツ等と同じになっちゃうから、本当に嫌だ
…兄者にも、申し訳なくなるし」

紀章「だったら、いつならいいの」

A「それは、話を聞く前の紀章さんが考えてください」

紀章さんの腕を解いては、
立ち上がると、水が勢いよく音を鳴らした

紀章「ぜってぇ、無理じゃん！」

A「あと、僕だって心の準備くらいしたい…」

浴室から出ては、閉めたドア越しに、
"生殺しかよ！"と文句を言われたが、
実際、しょうがない

僕にだって、準備が欲しいものは欲しいし………

土壇場になったからって、
そういう行為をするのもどうかと思うもん

浴室から、″A、質問なんだけど″と声を掛けられ、
″どうしました？″と返事をすれば、
″真也さんが可哀想ってどーゆーこと？″と聞かれた