出会い ページ1
ス「今度のMV撮影。この子を起用したいんですけどどうですか?」
天「大丈夫ですよ!……にしても綺麗な人ですね」
ス「ほんとに…人形みたい」
(人形か……僕は妖精みたいに見えたけど)
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【撮影当日】
ス「あ、天月さん!」
天「はい」
ス「あの……モデルの子なんですけど、こちらのミスで、あの、その…」
歯切れの悪そうなスタッフさんに、どうしたんだろうと謎は深まるばかり
天「来れなくなっちゃいました?」
ス「いえ、そうでは無く」
スタッフさんが何かを伝えようと口を開いた時、後ろから透き通るような声が聞こえた
『天月さん。ですか?』
天「えっ?……っあ、モデルの」
『初めまして。今回MV撮影のお手伝いをさせていただきます。叶夜 Aです。』
天「初めまして。天月です」
初めての彼女との会話
若干の違和感を覚えた
普通、自己紹介とかする時はいくら無愛想な人でも作り笑いの一つや二つする
でも、目の前にいる彼女はこの会話中1度も笑顔を見せなかった
『……私のことはご存知で?』
天「えっと……ご存知では無いです。多分」
だって今日初めて会ったじゃん
さっき彼女も『初めまして』と言ったはずなのに、どうしてそんなことを聞くんだろう
『では、私が
天「笑えない?」
ス「すみません。さっき言おうとしていたのはその事で……彼女は笑えないモデルなんです」
コソッとスタッフさんが耳打ちしてくる
【笑えないモデル】
それを売りにしたいがために我慢しているのか、それとも無愛想なだけの人なのか
その辺はよく分からないけど、今回のMVはむしろ笑ってくれない方がいい
その方が好都合だから、別に今更チェンジする必要も無いということに少し安心した
『あー、なら私じゃない方が良かったですかね?今回のお仕事』
天「いえ、大丈夫ですよ。適任です」
彼女に対する好奇心や疑念はあるものの、それは心の奥底にしまって、今は撮影に集中することにした
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天「すご……」
撮影が始まって数分
カメラ越しに見る彼女はただの無愛想な人とは位置付けにくいくらい美しかった
もちろん、彼女は初めの挨拶同様1回も笑っていない
それでも彼女を取り巻く独特な雰囲気にその場にいた全員が飲み込まれていたと思う
(笑わない。じゃなくて笑えない……ねぇ)
では涙はどうだろう
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LiLiKa(プロフ) - みんとさん» そこまで言っていただけるなんてめちゃめちゃ嬉しいです!完結まであと少しなので少々お待ちください〜! (2022年6月27日 12時) (レス) id: 5f05194811 (このIDを非表示/違反報告)
みんと - あまちゃん主役少なくてあきらめて別のみてたらこれ出てきました。最高。生きててよかったわ。まじで。もうほんっとなんでこれ最初に出てこなかったかが不思議 (2022年6月19日 0時) (レス) @page38 id: 199dcd889a (このIDを非表示/違反報告)
LiLiKa(プロフ) - アサリさん» ありがとうございます!ほんとに少ないですよねw 私も初めて天月さん主役で書くので…頑張ります! (2021年9月27日 7時) (レス) id: ef0b88e85e (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - なぜ天月さんのものってすくないの?って思いながら検索してたら見つけました。ありがとうございます。素晴らしいです (2021年9月26日 22時) (レス) @page10 id: a30233919d (このIDを非表示/違反報告)
LiLiKa(プロフ) - にゅーさん» うぉぉぉぉ!コメント励みになります!拙い文章ですがこれからもご贔屓に......(これ使い方あってる?w) (2021年9月11日 14時) (レス) id: ef0b88e85e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LiLiKa | 作成日時:2021年8月1日 9時