33話 ページ33
走って
走って
走って…
後ろなんて振り向かずに逃げた
でも、姿は見えなくても後ろから聞こえる甲高い声はずっと私の後を追っていて…
ま「っ…はぁっ、待って！Aちゃん！」
なんで追いかけてくるんだろう
私なんか放おっておけばいいのに
なんにも考えないで彼の横を陣取って、活動の邪魔をして、なんの責任も追わずにこうやって逃げ出して
(合わせる顔がないよ....)
そんな事を考えながら、逃げて....逃げて...
数分立ったとき、後ろから聞こえてた声が不意に止まった
やっと撒けた。
そう思って振り返ったとき、体験したことのある恐怖が私を襲う……
そこには、私の数メートル後ろで胸を抑えてしゃがみこんでいるまふくんの姿
『っ...！まふくん！！！』
あのときと同じ、全身の血の気が引くような感覚に襲われながら駆け寄る
『ぁ、救急車....う、らたさ..っ』
パニックになって、怖くて......震える
片方の手で彼の背中を撫でながら反対の手でスマホを操作していると、不意にその手を白くて細い手が掴んだ
『え....んぇっ？！！』
そのまま手を引かれたと思ったときには私はまふくんの腕の中にすっぽりと収まっていた
ま「っ...はぁっ、Aちゃん...っ」
『ま、ふくん..大丈夫？どっか、い...たい？』
ま「んーん。引きこもりに全力疾走はちょっと辛かっただけ」
『ぇ、ぁ....ごめん』
ま「.......やだ...許さない」
だめだよね...
そりゃぁ、許してもらえるわけないよね。
あんなことして、謝りたいって思ってても前のスマホは怖くてずっと見ていないし、実際あっても踵返して逃げて.....
最低だな
『ごめん...な、さい..』
ま「急にいなくなんないでよ...」
『え...？』
背中に回ってる腕がいっそうきつくなって、不安定に揺れる声が耳に届く
『まふくん？』
彼が泣いているような気がして、その表情を確かめようとまふくんの胸板を押して離れようとするけど全然離してもらえない
それどころか私の肩に顔をうずめるみたいに抱きしめてくるまふくん
ま「もう、会えないんだって....思って...苦しくてっ」
鼻を啜る音が聞こえる
彼の体が震えてる
それに呼応するみたいに私の視界も滲んでくる
『だ、って...私、邪魔だよ..』
ま「そんなわけ無いじゃん！」
肩を掴まれて、やっとまふくんの顔が見える
白い肌にいくつもの涙の跡があって、マスクは...黒いからよくわかんないけど、涙で濡れていた
.
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LiLiKa(プロフ) - ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫））さん» ありがとうございます！最近どのお話も全く手がつけられてないのですが、また時間が空いた時に描きたいですね！ (12月14日 11時) (
レス) id: 5f05194811 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫）） - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (12月7日 13時) (レス) @page47 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
LiLiKa(プロフ) - ましろさん» すみません！ありがとうございます！ (2021年7月31日 17時) (レス) id: ef0b88e85e (このIDを非表示/違反報告)
ましろ - 面7話が抜けてますよ (2021年7月31日 2時) (レス) id: e906b0e1fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LiLiKa | 作成日時：2021年7月8日 22時
