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14話 ページ15

そらるんとまふくんが歌い手だということを知ってからというもの、私は暇さえあれば彼らの曲を聴いていた

移動する時も、料理を作る時も

ある程度の時間がある時は、過去の配信を遡って見ることもあった



彼らの動画を見る度、新しい知識を身につける

他の歌い手の方
その界隈特有の言葉
ライブ

自分が全く触れてこなかった世界

それでいて、自分に寄り添ってくれるような世界


私がその沼にハマるまで大して時間はかからなかった

.
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〘この前の東京ドームのやつ見たよ!〙


ま「ほんと?w 全部見てくれたの?」


〘もちろん!〙


Switahをテレビに繋いで部屋を暗くして、画面の前で白いペンライトを振って見てたよ

なんてことは恥ずかしいから言わないけどw



画面の向こうの君は空に浮かぶ一等星より
夜空を照らすあのお月様より
富士山から顔を出すお日様より

この世界の誰よりも光ってた


彼の横顔を見ながら、歌っていた時の姿を思い出す



ま「あ、この前ねー。そらるさんがAちゃんにって置いてったのがあって……ちょっと取ってくるね」


私が見てることは気づいてないんだろうなw

パッと立ち上がってリビングを後にするまふくん


(そらるんが私に…か。なんだろ?w)

.
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.

コンコン

「あれ、いねーの?」

ガチャ

「開いてんじゃん…」




……え?


い、ま…玄関のドア?…開いた?


(で、デジャブ…)


そらるんだよね?多分…前だってそうだった、し…


ガチャ


でも、入ってきたのは……違う人

そらるんに比べてかなり低い身長で明るい茶髪の男性

どこかで見たことがある人だったけど…


バチッと目が合う


(っ……!)


「お前、誰だよ」


こちらを睨む、その鋭い視線と低い声に

彼が誰かを思い出す間もなく

私の中で何かが壊れた


「ストーカー?害悪?
……こんなとこで何やってんだよ!!!」


『っ……ビクッ!』


手の震えが止まらない

手だけじゃない、全身が、心が怯えている


彼ではない、彼の奥…彼とリンクして見える大柄な30代後半の男





私の父親……


「チッ……聞いてんのか!」


手首を掴まれる

私の目に写っているのはもう…初めて会った茶髪の彼ではない



『っ…ぁ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…っ!!!』


「は…?ちょ、お前…」


視界が暗くなり、何も見えない

真空空間にいるみたいに息ができない


脳に響く声

疼く傷


それから逃れたくて、一生懸命自分の体を抱きしめた



.

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LiLiKa(プロフ) - ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫))さん» ありがとうございます!最近どのお話も全く手がつけられてないのですが、また時間が空いた時に描きたいですね! (12月14日 11時) (レス) id: 5f05194811 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (12月7日 13時) (レス) @page47 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
LiLiKa(プロフ) - ましろさん» すみません!ありがとうございます! (2021年7月31日 17時) (レス) id: ef0b88e85e (このIDを非表示/違反報告)
ましろ - 面7話が抜けてますよ (2021年7月31日 2時) (レス) id: e906b0e1fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:LiLiKa | 作成日時:2021年7月8日 22時

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