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｢A、俺も食べたいゾ｣
『どうぞ…？』
｢……｣
クッキーは目の前にあるのに、全く手を動かさず口を開けているグルッペン様
もうこれはそういうことなのだろうけど、今日1日ずっとこれなら私は途中で逃げ出すだろう
『はい、あーん…』
仕方なく口元までクッキーを持っていくとパクッと中に吸い込まれた。ザクザクと砕ける音がする。
飲み込んだ後一言｢美味い。｣と呟くとおもむろに私の手首が掴まれた
『ぐ、グルッペン様！！？？』
｢勿体ないだろう｣
指先についていた小さなかけらを、私の指ごと口に含む
口内でヌルりと舐め取られ、わざとリップ音を立てて離れていく唇にゾクっとした
｢こちらも美味いな｣
『あ、あ……』
顔を真っ赤にして口を動かすも何も言葉にならない
そんな様子をみて余裕そうに、そして嬉しそうに口元を舌でペロリと撫でたグルッペン様
｢黒猫が動揺する様はなかなかいいな｣
｢ところでA｣
｢お前が食べたクッキーはどんな味だった？｣
唐突に投げかけられた的を得ない質問
『グルッペン様が召し上がったものと同じですが…』
｢そうか？そうは思わないが｣
『いえ、…え？』
｢確認すればいいだろう｣
いつの間にか腰に回された腕
もう片方はうなじをサラりと撫でて頭の後ろに
些細な刺激にすらビクリとしてしまう今の私は普通じゃない
含みのある、そして艶かしい笑みを浮かべたグルッペン様の端麗な顔が近付いてくる
優しいキスではない、口を開けて、ガブリと食べるような……
｢グルッペーーーーーーーン！！！！！｣
食べられる直前、総統室の重い扉が勢い良く開いた
そして耳に突き刺さるような大声
ピタリと動きを止めたグルッペン様は、顔の距離はそのままに、殺意に満ちた視線だけそちらに向けた
｢ノックは人類最大の発明の内の1つだとは思わないか？コネシマ｣
｢あれ、もしかしてお取り込み中やった？｣
｢見ての通りだ｣
｢あ〜、そらすまんかったなぁ。出直すわ…てなるかーい！！｣
｢出直せ二度と戻ってくるな｣
｢いやこの状況は説明してもらわないと｣
元気にノリツッコミをしているコネシマさん、出ていけさもなくば殺すと言わんばかりのグルッペン様、そしてコネシマさんの後ろから入ってきたひとらんさん
｢とりあえず合意の上じゃないんだよね？｣
｢双方合意だ出ていけ｣
『してません助けてください』
救世主ひとらんさんのおかげで私はグルッペン様の足の上から脱出した
コネシマさんはずっと笑っていた
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フェルト - 伏線回収が神！うらつくで稀に見るほんとうの鬼才のお方ですね！最高です！ (2019年9月14日 10時) (
レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 伏線回収が…！ありがとうございます、わかりやすいです…これからも更新楽しみに待っております！ (2019年9月6日 19時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの子(プロフ) - 前作からの伏線がどんどん回収されてくのドキドキします…これからも更新楽しみにしております。 (2019年8月31日 7時) (レス) id: 54ffec1f7f (このIDを非表示/違反報告)
RaZu@らず(プロフ) - 嫉妬する総統さまが…!!!最高です……!!!!!!ありがとうございます…!!!!!!!!!!!! (2019年8月27日 15時) (レス) id: a4ef94e121 (このIDを非表示/違反報告)
琉兎(プロフ) - 主ちゃん可愛すぎっ！惚れてまう！！続きが気になるんじゃぁ！！！更新頑張って下さい、楽しみにしてます！！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 3584f7d8aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レック | 作成日時：2019年8月18日 3時
