教える兵長と助ける私 10 ページ24
アルミンは私の腕の中で
一瞬迷ってから口を開いた。
ア「僕は…本当は、分かっているんだ。
ジャンが殺されそうになってたから…すぐに
撃てたって事くらい。……兵長の言う通り
新しい自分を受け入れなきゃって
分かってはいるんだけど… 」
言葉を止め、アルミンは思いを吐き出すように
少し大きい声で言った。
ア「でも…! 僕が殺した事には
変わらないじゃないかっ! 」
息を整えて、アルミンは再び口を動かす。
ア「以前の僕には…もう戻れないし……
僕が撃たなければジャンは、ここにいない…
仲間の為に殺るしかなかった……でも、人を
殺す事がこんなに…つらいとは思わなかった」
アルミンはゆっくり私から離れて
エレンとミカサを見た。
ア「僕も二人みたいに強くありたいと思った。
いつも弱い僕を助けてくれていたように…
人を殺しても普通に過ごせてる二人のように……
だけど僕は…エレンとミカサみたいに強くは
なかった…こうやって同じ状況でも僕だけ
未だに自分を受け入れられていない…
所詮僕は弱いままなんだ。僕は強くないって
思い知らされただけ…こんな思いになるなら…
引き金を引くんじゃなかった。
他に方法があったかもしれない…
殺さなくても僕達は助かった方法が……本当に
撃つのが正しかったのか…僕には分からないんだ」
アルミンが口を閉ざし、
言い終えたと気付いた私は名前を呼んだ。
貴「アルミン… 」
振り向いたアルミンに優しく抱きつく。
そして目を閉じて私は言った。
貴「…つらかったね。状況を理解した時は本当に
つらかったよね。……前の自分がいとおしいよね。
手を染めてしまったのは…とても悲しいと思う。
でもアルミンはジャンを、皆を守る為に
頑張ったよ。だから皆から見たらたった一人の
救世主…アルミンはアルミンである事に
変わりはないんじゃないかな」
ミカサは何もせず私とアルミンを眺めていた。
貴「アルミンは…エレンとミカサみたいになりた
いんだね。二人を手本にするのは良いと思う。
二人は強いからね。でも…二人は同じ強みを
持ってる訳じゃない。強さは皆違うよ。
アルミンは瞬時に作戦を立て、実行出来る
頭脳を持っている。それがアルミンの強みだよ。
アルミンには正解を導く力がある。
だから…撃つのは正しい選択だったと思うよ」
トロスト区でアルミンの力を見たからね…
アルミンは涙を流し始め、私は腕の力を強めた。
食堂には小さな泣き声だけが響いていた。
229人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暇人(プロフ) - 夢主ちゃんは譲らねぇ!作者さんありがとう。神作品作ってもらって。 (2022年12月29日 11時) (レス) @page44 id: 1636cba57e (このIDを非表示/違反報告)
風神真優(プロフ) - アルンさん» もしかしたら本編でもまた出てくるかもですよ♪ (2014年11月6日 18時) (レス) id: 8035d0e0f6 (このIDを非表示/違反報告)
アルン(プロフ) - 風神真優さん» うん!!マルコずっといてほしかった>< (2014年11月6日 18時) (レス) id: e75e72acae (このIDを非表示/違反報告)
風神真優(プロフ) - アルンさん» 本編より多く出てますよね (2014年11月6日 18時) (レス) id: 8035d0e0f6 (このIDを非表示/違反報告)
アルン(プロフ) - 風神真優さん» うん!!マルコ優しいよね^^ (2014年11月6日 18時) (レス) id: e75e72acae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:風神真優 | 作者ホームページ:http://id11.fm-p.jp/564/kazakamimayu/
作成日時:2014年9月17日 16時