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こうしているだけで、穏やかで、温かくて、やさしくて、甘い・・・
その全部が溢れる。
たまらなく、愛しい・・・
リヴァイの腕があたしの背中へ回され、彼の安心した吐息がきこえる。
「リヴァイ・・・」
そうつぶやくだけで、切ない。
リ「オレから離れるな」
リヴァイの言葉に、胸の中が蜂蜜のようにゆるく甘く溶かされていく。
リ「壁内でお前を死なせることは絶対にない。何があっても必ず守る」
あたしは自分の手をゆるめて、リヴァイの瞳をのぞきこむ。
「リヴァイ・・・全部・・・好き。全部・・・・・全部・・・」
ほほ、唇、首筋、胸・・・
愛しさに任せ、あたしは順番に指でなぞっていた。
リヴァイがゆっくりと唇を近づけ、あたしは彼の動くままに身をゆだねた。
互いを
キスの途中で時折リヴァイと視線を合わせるたびに、体温が上昇していく。
呼吸が少しずつ速くなり、唇の中でうごめく舌が熱い。
リヴァイと出会えたことは、奇跡だ・・・
あたしがこの世界に生まれた意味を、作ってくれた。
キスで溶け合いながら、そう思った。
リヴァイの為になら何にでもなれる、
リ「お前が傷つくのを、これ以上許す訳にはいかねぇ」
あたしの首筋をなぞりながら、リヴァイが言う。
「リヴァイ・・・あたし・・・絶対に未来を勝ち取るから・・・」
大切なものを奪われない未来を・・・あなたと一緒に歩きたい。
その時、リヴァイがあたしの髪をなでて、ほんの少し微笑んだ。
・・・・・・え・・・
こんな表情の彼を、初めて見る。
その笑顔にふいをつかれて、あたしは動けなくなった。
リ「どうかしちまってる」
「え・・・?」
リ「お前を見てると・・・」
そんな風に、優しい目で見るの・・・ずるいよ・・・
抱き締めて欲しく・・・なる・・・
もっとリヴァイを・・・求めてしまうよ・・・
「あたしもきっと、どうかしてる・・・」
言いながらあたしは、リヴァイの唇に自分の唇を重ねた。
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作者名:ico | 作成日時:2018年1月21日 8時