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「お姉ちゃんも、エルヴィンを好きになって・・・あんなに幸せそうなお姉ちゃんを、あたしは生まれて初めて見た・・・」
病気に苦しむ日々。
迫害に耐える日々。
いつ誰が自分を消しに来てもおかしくない恐怖を感じていたマーレでの日々。
そんな毎日の中に、心からの
『誰かを愛し、誰かに愛され、誰かと愛し合う』
初めて感じた幸せがお姉ちゃんを包み込んでいること・・・それが、あたしは本当に嬉しかった。
この島へ来てよかったと、心から思った。
リ「だから言えなくなったのか、エルヴィンに」
「言えなかった。あたしたちがマーレから来たことを話せば、2人の幸せを壊してしまうと思った。お姉ちゃんは純粋にエルヴィンとの幸せだけを願ってた。でも・・・・・」
あたしは甘かった。
移植手術が成功すると、
リ「婚約者の死で、エルヴィンはお前との繋がりを絶とうとした」
「あたし自身の心も折れた・・・。エルヴィンが悲しむ姿を見るのも、あたしを拒もうとするのにも、耐えられなかった」
今もあたしの瞼には、エルヴィンの震えた背中が焼きついている。
リ「退団した真の理由はそれか」
あたしは頷きながら答えた。
「お姉ちゃんも居なくなって、託せる人からも遠ざかって、希望がなくなった。あたしは空っぽのまま、あの馬屋で過ごしてた。気づくと3年も経ってた」
あの時、もっと強い心を持っていたら・・・
そしたら・・・リヴァイにもっと早く出会えたのに・・・
リ「本当に空っぽだったのか」
「え?」
リ「マーレに対する怒りがなかったわけじゃないだろ。家族を殺されたんだろ。しかも病死と見せかけたひでぇやり方だ」
「憎しみを
リ「3年かけて、その誓いを守ったわけか」
「・・・そうだね・・・、あたしは“お姉ちゃんの死によって生まれた憎しみ”を捨てるのに3年という時間を使ってしまった」
でも、リヴァイがあたしを見つけてくれた。
だから、今あたしはここで希望を見てる。
今度こそ託すよ。
エルヴィンじゃなく、リヴァイ、あなたに。
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作者名:ico | 作成日時:2018年1月21日 8時