26 ページ26
*
……SIDE IS リヴァイ……
エルヴィンに話す流れの中で、Aがところどころ補足を入れた。
エルヴィンは途中で短い相づちを入れながら、オレの話に耳を傾けていた。
そして最後まで聞き終え、
エ「そうか」
と一言だけ言い、机の上のペンを見つめた。
リ「成績上位10名についてだが」
エルヴィンが視線をこちらへ向ける。
リ「今の話の流れ上、残り5人の名前をオレたちに明かすのは難しくないだろう」
エ「確かにそうだが・・・」
そう言い、今度はAのほうへ視線を変えた。
リ「悪いな。Aに色々と聴取したくなるのは分かるが、判断を急いでもらわねぇと身動きがとれねぇ」
「リヴァイ」
Aが、めずらしくオレを制するように片手を低くあげた。
そしてエルヴィンのほうへ一歩近づき、静かな声でヤツに語りかけた。
「エルヴィン、ごめん・・・お姉ちゃんが生きてた頃に話すはずだった」
机の上に転がるペンをまたじっと見ながら、エルヴィンは何かを考えている。
エ「マルレーンは、異国の人間だった・・」
ペンを見たまま、エルヴィンは瞬きも忘れて抑揚のないトーンで声を発する。
まるで自分に言い聞かせているように聞こえる言い方だ。
少し、混乱しているのか・・・?
婚約者のこととなると、エルヴィンでも一筋縄ではいかない自分が顔を出すのだろう。
エ「やはり・・・そうだったのか」
やはり・・・?
「エルヴィン・・・?知ってたの?」
エ「いや・・・何の確信もなかった。私のただの妄想だと思っていた。彼女から感じる空気が私に見せている妄想、そう思っていた」
「お姉ちゃんからは、何も聞いてない?」
エ「あぁ、マルレーンが異国の人間だと自分から話すことはなかった」
リ「恐ろしい男だ。異国、などという発想ができるのはお前くらいだ」
エ「発想ではない・・・夢だ」
夢・・・・・・?
リ「幼い頃からのな」
*
100人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ico | 作成日時:2018年1月21日 8時