足りない言葉は風にきけ１【リヴァイ】 (ページ27)

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……SIDE IS リヴァイ……

リ「行くぞ、乗れ」

「･･･え？乗れって･･･あなたの後ろに･･･？」

リ「悪いが馬は1頭しか連れてない。イヤなら走って来い」

「は････？走ってって･･････。はぁ････わかった。乗ります」

そう言って、Aは素早くオレの後ろへ飛び乗った。

リ「それでいい。状況判断が早いのはいいことだな。･･･それと、今のようにオレには敬語を使え」

「･･･あの。1つ忘れてると思うんだけど、あたし、3年前に兵団にいたよね。てことはあたしのほうが先輩だから」

リ「あぁ？退団した時点でペーペーに逆戻りだ。立場をわきまえろ」

「ちょっと･･･それ定年退職した人に対しても同じことが言える？！」

リ「同じリタイアでもまったく意味が違う。比べる土俵をごっちゃにするな」

まったくピーピーうるせぇ女だ。

だが･･･

オレの後ろで、まだ御託を並べてピーピーわめいているAに、オレは不思議なものを感じていた。

悲しく光る目と、妙に聡明な言葉を持つ黒髪の女。

落ち着かねぇ･･･

この居心地の悪さみたいなものはなんだ。

いや･･･

あまり見かけないものめずらしさに、オレは単に興味をひかれている･･･

そういうことだろう。

「･･････ねぇ聞いてる？」

リ「わかった。好きにしろ」

使う言葉などどうでもいい。

要は、こいつが使えるかどうか、それだけだ。

*

馬を走らせて町を離れ、少し行ったところで雨が降り出した。

しばらく気にせず走っていたが、雨はだんだんと激しくなった。

リ「チッ」

オレは前が見えなくなり、一旦馬をとめた。

目を凝らすと、すぐそばに小さな林が見え、その中に家が見えた。

煙突からは煙が立っている。

運がいい。

誰かいる。

「どうするの？」

後ろから、不安げなAの声がした。

リ「あの林の中に家が見えた。誰かいるような感じもある。雨がやむまでおいてもらう」

「あ、ホントだ･････」

Aはオレの肩越しにそれを見つけ、安心したようにため息をついた。

*