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完全にあの人を信用した訳じゃない。
ただ、これは・・・最初で最後のチャンス。
自分の心に正直に生きるための。
自分の夢を大切にできなかった。
自分の夢をあきらめるタイミングを、自分じゃない誰かの手にゆだねてしまった。
でも、それじゃやっぱりダメだ。
3年経っても、諦められてないどころか、エルヴィンのこと、逆恨みしてる。
諦めさせられた・・・って。
あたしは、このまま、みにくい心のまま生きていくの?
そう思ったとき、心が大きく動いた。
『違う生き方を選びたい』
って・・・・
カタン。
何かの音がして、事務室の入り口のほうを見ると、ユッタが立っていた。
イ「ユッタ・・・」
ユ「・・・・・・なんの話?」
「あー・・・・・・・・」
イ「ていうか、お前おおかた、聞いてたんじゃないのか?」
ユ「・・・・・・うん・・・・ごめん」
イ「謝んなよ。ゲレオンさんに言われて、メシだぞって、おれたちを呼びに来たんだろ?」
ユ「うん・・・・」
ユッタは切れ長の目をあたしに向けた。
ユ「どっか、行っちゃうの・・・?」
この試練を越えずには、進めないよね。
この苦しさから逃げちゃダメだ。
そう決心して、ユッタのほうへ近づく。
「ユッタ。あたし、ここを出る・・・自分の歩く道を、自分で見つけるの。ここは、あたしが見つけた場所じゃない・・・見つけてもらったの」
ユ「・・・誰に?・・・え、ここじゃダメなの?」
「だめじゃないよ。ここは、あたしの大事な場所だよ・・・。あたしの・・・帰る場所だよ。でも、あたしが歩いていきたい道が、別のところにあるの」
ユ「なに・・・?難しいよ・・・そんな話・・・。ハッキリ言って。さっき調査兵団って言ってたのって・・・・本当?」
「・・・うん・・・」
ユ「待って、Aさん。Aさんは、そこから来たんでしょ?身体が悪くて・・・それでここに来たんだよね?なのに・・・戻っちゃダメだよ。また・・・身体が・・・」
「うん・・・あたしも、自覚はしてる。覚悟もしてる。けど、これを逃したらもうチャンスがないの・・・・・・・・」
ユッタはうつむき、唇をかんだ。
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萌(プロフ) - 頑張ってください〜 (2017年10月8日 19時) (レス) id: 8d86d6f3b5 (このIDを非表示/違反報告)
いこ先生(プロフ) - 萌さん» 萌さん♪♪ ありがとうございます!めっちゃ頑張ります〜(>▽<)/ (2017年10月7日 8時) (レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
萌(プロフ) - 面白いです!頑張ってください! (2017年10月7日 0時) (レス) id: 8d86d6f3b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ico | 作成日時:2017年10月6日 23時