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「エルヴィン・・・・・スミス・・・」
遠い昔に、私の目にまぶしく映っていた人・・・
懐かしい名前。
エルヴィン・・・
まさか、3つ全てにあなたが当てはまるなんて、さすがに予想できなかった。
誰か1人でも知った人間の名が出ることまでは期待していたけど・・・
エルヴィンが、団長・・・
出世したな・・・
やっぱり嬉しいや・・・
彼の思いが、未来へつながっていくのが見えるようで・・・
あぁ・・・わかった・・・
リヴァイに感じるエルヴィンの空気・・・
きっと、リヴァイがいつも彼の近くにいるからだ。
『相手の手のうちを探るためには・・・』
さっきから思い出していたあの言葉は、エルヴィンから教わったものだった。
見つけた・・・たくさんの扉の向こうにしまいこまれた、あの人の光を。
あたしの第6感は、鈍ってない。
今、あたしは扉に手をかけられる場所にいる。
あたしは迷い始めていた。
戻りたい・・・
本当は、そう思ってる。
あたしは、まだ自分のしたかったことに届いてない。
あたしの夢は、まだ途中・・・
でも・・・あたしが戻ったら、またきっと追い返されるに決まってる。
エルヴィンは、そういう人だ。
何年も一緒にいたから、わかる。
でも・・・夢をあきらめるタイミングは、誰かに決められるんじゃなくて、自分で決めたい・・・
・・・イザーク。
ゲレオンさん。ユッタ。
いまや家族のように迎え入れてくれている彼らの顔が浮かぶ。
あたしには、なじんでしまった今の環境がある。
馬が好きだし、ヘタに人間と接する仕事なんかより、よっぽど自分には向いてるって思ってる。
・・・ううん・・・
それも、彼はお見通しだったのかもしれない。
町から少しはずれた、空気のきれいなこの場所を探し出してくれたのは、エルヴィンだった。
あたしが馬を好きなことも彼は知っていたし、退団後のあたしの身を心配してくれた。
この環境は、すべて用意された物・・・・・・
黙って考え込むあたしに、リヴァイが言う。
リ「ただし、この指令を出したのはエルヴィンだが、オレはこの任務のすべてを任されている。つまり、誰を連れて帰るかはすべてオレの判断で、連れて帰った人間は無条件で即入団だ」
・・・・・・!?
提示された好条件を前に、それまで揺れていた自分の気持ちが大きく傾くのがわかった。
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萌(プロフ) - 頑張ってください〜 (2017年10月8日 19時) (レス) id: 8d86d6f3b5 (このIDを非表示/違反報告)
いこ先生(プロフ) - 萌さん» 萌さん♪♪ ありがとうございます!めっちゃ頑張ります〜(>▽<)/ (2017年10月7日 8時) (レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
萌(プロフ) - 面白いです!頑張ってください! (2017年10月7日 0時) (レス) id: 8d86d6f3b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ico | 作成日時:2017年10月6日 23時