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リ「調査兵団に所属していたそうだな。退団した理由はなんだ」
「!」
イザークか・・・
あのお人好し・・・!
警戒心が足りなさすぎる。
「あたしだって質問したいことがたくさんある。こちらの情報ばかりは提供できない」
リヴァイと名乗った自称・兵士長は、なぜか嬉しそうに口元をゆがめた。
リ「ふん・・・。そうだろうな。ではまずこちらから3つ質問をする。そのあとそっちの聞きたいことにも3つ答えよう。どうだ」
意外に紳士的な提案に、内心驚く。
いや、油断しちゃダメだ。
ただ、提案は悪くない。
『相手の手のうちを探るためには、ある程度こちらのことを明かさねばならない』
また、あの人の言葉が頭をよぎる。
さっきからずっと、この人からあの人を思い出す何かが感じられるのは、気のせい・・・?
「条件をのむわ」
リ「状況判断が早いな」
いつも風の強い丘は、完全に日が暮れて肌寒くなっていた。
羽織ってきたストールを、体に強く巻きなおす。
リ「さっきと同じではフェアじゃないだろう・・・質問を変える。家族はいるのか」
「・・・・・・・・・・」
いない、と言葉にしたくなくて、伏せた視線と無の言葉で答える。
リ「そうか」
大したことじゃない、とでも言いたげな、感情のこもっていない相づち。
今の時代、巨人におそわれて家族を失った人は多い。
あたしも、そんな世界と自分の境遇にはもう慣れてしまった。
リ「調査兵団に所属していたというのは本当か」
「……本当よ」
リ「・・・兵団へ戻りたいとは思わないか」
「え…・・・?」
願ってもない言葉の到来に、あたしは自分の耳を疑った。
兵団へ・・・戻る?
戻れるの・・・?
できることなら戻りたい。
ずっとそう思ってた・・・
あたしは自分から退団したんじゃない。
クビになった人間だ。
・・・エルヴィン。
あなたにクビを宣告されたんだったね・・・
あたしは、もっとあなたのそばで戦っていたかったのに。
兵団には戻りたいけど・・・今この人の言葉をどこまで信じていいかわからない・・・
それにエルヴィンがあたしの入団を拒否するはず・・・・・・
きっと望みはない・・・
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萌(プロフ) - 頑張ってください〜 (2017年10月8日 19時) (レス) id: 8d86d6f3b5 (このIDを非表示/違反報告)
いこ先生(プロフ) - 萌さん» 萌さん♪♪ ありがとうございます!めっちゃ頑張ります〜(>▽<)/ (2017年10月7日 8時) (レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
萌(プロフ) - 面白いです!頑張ってください! (2017年10月7日 0時) (レス) id: 8d86d6f3b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ico | 作成日時:2017年10月6日 23時