３７ ページ37
*
……SIDE IS リヴァイ……
今日散ってしまったアイツらは･･･、
オレを信じ、エルヴィンを最後まで信じた。
オレの班で、何度も不可能を可能にしてくれたヤツらだ･･･
「命は星になるってよく言うよね･･･。星はね･･･神様と同じ。いるとかいないとか、信じる信じないは、ある意味どうでも良くて･････自分の心がもたれられる存在に、安心していたい。それだけ」
星空を見上げたままAが話す。
Aらしい発想だ。
過酷に生きてきた中で、自然に身につけたAなりの精神安定の方法なのだろう。
まやかしだろうと、幻だろうと、どうでもいい。
自分だけが感じられる心の静寂を、手にしたいだけ･･･そういう意味か。
「風も同じだよ。風の中にね････」
Aがそう言った時、それまでとは違うゆるやかな風が、するりとオレたちの間を抜けて行った。
Aの髪がやわらかく揺れるのと、その目の驚いたまばたきすら、ひどくゆっくりと･･･コマ送りのように見えた。
「･･･ｯ･･」
Aは頭から被ったストールを手でぐいと顔まで引っ張り下げて隠し、オレに背を向けた。
それまでよりも強く布を自分の体へたぐりよせ、感情が
ﾋｭｳｳｳｩｩｩ･･･
また強い風が吹きつけ、ストールをハタハタと揺らす。
オレたちの間をすり抜けたやわらかな風は、もうどこにもなかった。
だがあの一瞬の中に、Aのまばたきの中に、あの4人の気配が見えた気がした。
いや･･･
何を言っている･･･
そんなものはない。
アイツらは、もうどこにもいない。
「優しかった･･･」
布の中から、くぐもったAの声がする。
「みんな、強くて優しかった･･･」
ストール越しのAの声。
アイツらを称える言葉･･･
ありふれた褒め言葉に過ぎないそれが、じわりと鈍い痛みをもたらす。
アイツらと未来を見るつもりでいた。
だが･･･
アイツらが戦い、女型の足止めをしていなけりゃ、オレはあの時エレンを女型から奪い返すことはできなかった。
リ「アイツらは･･･エルヴィンの言葉通り、エレンを死守した。一番危険な場所で、一番責任の重い、一番重要な任務を果たした。最高の兵士たちだ」
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ico(プロフ) - カレンさん» 嬉しいご感想ありがとうございます！励みを頂き力が湧きます！頑張ります！ (2018年6月20日 15時) (
レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - とっても面白いです！これからも頑張って下さい！ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 5dabf5f2d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ico | 作成日時：2018年6月9日 14時
