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リヴァイは、黙ったままジッとあたしを見ていた。
その目を見つめ返しながら、心に刻まれた大切に思う友の言葉をあたしは思い出していた。
『果敢に戦い抜いて、必ず会いに行く』
手紙にそう書き残していたイルゼの文字。
強い思いを胸に秘めていても、戦場は、それをいとも簡単に踏み潰す。
容赦なく･･･残酷に。
イルゼは優秀だった。
彼女のその能力は、あたしが一番知ってる。
それでも、戦場に潜むアクシデントという魔物が、人の命運を狂わせる。
確実に保証された明日は、この世界のどこにもない。
リ「お前はいらないのか」
「え？」
リ「オレの実在証明だ」
リヴァイはそう言って、あたしの手から紙を引き抜いた。
うそ･･･書いてくれるの？
「あたしの記憶は消えないし、夢だなんて絶対に思わないけど･･･」
そりゃ、欲しいよ･･･
リ「大した自信だな。もっとも･･･オレはこんな恥ずかしい言葉を書けるほどできた人間じゃねぇが」
「恥ずかしくなんてないしできた人間なんかでもない。てか初めから書く気なんかないんじゃん」
リ「うるせぇ。だが･･･まぁこれは預かっておく」
リヴァイはその紙にもう一度目を落としてから素早く畳み、兵服の内ポケットへしまった。
「悲しいこと言ってごめん。でも、私は必ずここに戻るから･･･って矛盾してるけど」
リ「世界も人間も、矛盾だらけなのはよくわかっている。お前はオレのところへ戻る。これから何度もだ。それでどうせオレに構わず恥ずかしい言葉を浴びせ続けるんだろ･･･それでいい。そうすればこんな紙切れのことはいつか忘れる」
「リヴァイ････」
リ「それでいい」
あたしはつま先で地面を押し、背伸びしながらリヴァイを抱きしめた。
石鹸の、いい香り。
綺麗好きなリヴァイの香り。
あたしは深く息を吸い込む。
ゆっくりとリヴァイがあたしの背中を包み込み、その手に力を込める。
「大好きだよ」
リヴァイの体が少し離れ、あたしの耳の後ろへ指が添えられる。
あたしはそれが、リヴァイが口づけようとする時の癖だと知っている。
『リヴァイを心から愛してる。
リヴァイだけを、ずっとずっと。
これが変わらない事実で、
永遠の現実であることを
ここに証明します A』
あたしはリヴァイに渡した紙切れの中の言葉を思い返しながら、彼の唇が降りてくるのと同時に目を閉じた。
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ico(プロフ) - カレンさん» 嬉しいご感想ありがとうございます！励みを頂き力が湧きます！頑張ります！ (2018年6月20日 15時) (
レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - とっても面白いです！これからも頑張って下さい！ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 5dabf5f2d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ico | 作成日時：2018年6月9日 14時
