Let me down -堕としてみせる- １ (ページ13)

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★13、小さな嘘ページ13

・

「A？どうした？」

「え？何でもない…」

・

戻った私に間髪いれずに

質問をぶつけてくる遼くん。

お願いだから何も

聞かないで…

でもそんな私の考えなんて

届くはずもなく

・

「さっきの人なんかあんの？」

「え？」

「こっち見てた人」

「…知り合い」

「そっか」

「あ、あのさ！」

「ん？」

「今トイレ行った時職場の人から
連絡が来て…
ちょっと電話してきてもいいかな？」

「…いいよ」

「だから今日はここまでで…」

「そうだな」

・

私は遼くんに

ごめんねっと

1言告げて外に出た。

遼くんはスタッフの人と

話をしていて

こっちを見ていない。

今のうち…

・

「こっちに行ったよね…」

・

潤が去った方向に

勝手に足が向かっていた。

追いかける理由も何も

ないけど…

でも…

声を聞いたら

居ても立ってもいられなくて。

会って話すくらい…

久しぶりって言うくらい…

いいよね？

・

「誰かさがしてんの？」

「え？」

「何してんだよ」

「潤！」

「ちょっとこっちこい」

「ちょっ！」

・

腕をつかまれて

路地へと。

その路地の先は行き止まり。

・

「潤！」

「なんだよ」

「何で…電話…」

「電話したかったから」

「で、でも…」

「お前こそ何であのとき
他人のフリしたの？」

「それは…彼女さんが…」

「いたって昔からの知り合いだって
言っとけば良かったじゃん」

「無理だよ…」

・

グッと近づく顔に

私は思わず

顔をそらした。

・

「オレの顔。
見てくれねぇの？」

「もう…辞めて」

「あいつと幸せになんの？」

「そうよ。
潤だって…」

「そのつもりだった」

「つもり？」

「今は違うから」

「どういうこと？！」

「それは…」