君が何と言おうとも、僕は運命を抱き締める。

第9話〜考えない〜 ページ12

漣sibe

オレはあの姉ちゃんを探す為、図書館から出ながら、どう探そうかを考えた。

あの姉ちゃんが今どこにいるかは見当が付かない。

まぁ、とりあえず暗い所を探せばいいのは変わらないのだが。

それに、出会った所で話が出来るかも分からない。

俺が姉ちゃんを苦手になっているかも知れない。

あの時は、オレも子供だったし、姉ちゃんの姿も変わっているだろうし。

というか、あの事件で姉ちゃんが人間不信とかになってたら、出会った瞬間殺されるとかもあるかもな。



というか、オレみたいな奴が勝手会いに行って良いのか？

許可が取れる訳でも無いし、変に困らせてしまったら、申し訳無いな……

うぅ……どうしよう…

頭の中で考えがまとまらず、図書館の出口の前で足を止め、頭を抱えた。

あーもう、オレこんなのじゃいつまで経っても姉ちゃん見つからねぇだろ。


たまには、深く考えずに行動するのも良いかも知れない。

姉ちゃんを助けたあの時みたいに。


あの時は『助けたい』という気持ちだけで動いていた。

だけど今はどうだ、考えても意味も無い様な事を永遠に考えて。


パァンッ！

オレは、両手で、頬を叩き、気持ちを整えた。

姉ちゃんを、絶対に見つける。

見つけて、何か心に傷を負っている様だったら、一生懸命助ける。

もし、姉ちゃんがパニックになって戦いになったとしても、正面から、全部受け止める。

変に、考えなくて良い。

あの時みたいに

『助けたい』

と、心から強く思うだけで良いんだ。





……よし、行くぞ。

ようやく定まった目標を胸に抱き、



オレは図書館を後にした。






窓の外に、鮮やかな満月が麗しく輝いているのを見ながら。

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