裏切り者 【The Dirty Dawg】

初めまして【過去編】 ページ42

Aside



「勘解由小路様と歩いていらっしゃるのは誰かしら？」



「さぁ。けどたいそう美しい人ね」



無「注目の的だなA」



『無駄話はいい。さっさと案内して』




これからの人生への失望感を覚えた私は不貞腐れたような態度を取りながら中央区へ入る



周りには女ばっかりでこんなにも女の人はいたのかと感じる



無「くれぐれも総理の前では粗相のないように」




『私が尊敬に値する人だって認められたらそうする』




歩き続けて、内閣総理大臣と書かれた扉を無花果さんがノックして開ける




無「総理。八月一日Aを連れてきました」



乙「えぇ、無花果下がりなさい」


無「はっ」


そういって無花果さんがでていく



『初めまして。八月一日Aです。』



乙「初めまして。たくさんの迷惑をかけてしまってごめんなさいね」



『思ってないこと言うのやめてもらえますか？』


なんとなく肌が合わない人だ



乙「ふふ、面白い子ね。」



そういって私を見通す目で見つめる。なんとなく全てを見透かされそうで嫌な気持ちになる



乙「あぁ、そういえば貴方のマイク貴方が持ったままでいいわ」



『は？』



乙「そのままの意味よ。けど、貴方への仕事、つまり命令は絶対に遂行すること。わかった？」



『私がマイクを使って中央区で暴れたらどうするんですか？』



乙「私が嬲り倒すわ」



嘘じゃないわかる、彼女は大物だ



自分の無力さに悔しく思いつつ、貴方の言うことに従いますと返事する



乙「それでいいのよA」


彼女は私の顔の輪郭から胸、腰、お尻を滑るように触って部屋をでていく




『あのババア痴女かよ』




そういって総理が座っていた椅子の近くによる




総理のいる部屋の窓から覗く満月は私の瞳のような色をしていた

悪夢→←あいつ【過去編】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す