【BL】【仮面ライダー】冗談も程々にしろ！【短編集】

無題(凌×貴、若干の病凌→貴) ページ15

頬にそっと手を当てる。
鼓動と共に暖かさが一肌を越えて伝わ
って来るのを感じた。
そんな想いなんて、意味が無いことも解っているのに何故か消せない。言葉では表せられない何かが喉を通らずにいる。
「…凌馬か？」
貴虎が目を覚ました。頬に置いた手を然り気無く隠した。
上手に嘘を吐いて撒こう、だなんて。
まるで片想いじゃないか。
でも、脳には逆らえなくって、体は勝手に動く。
「すまない。起こしてしまったね…コーヒーでもいるかい」
そんな嘘散漫な言葉にも微笑み、好意として受けとる貴虎。
「そう、だな…一杯貰ってもいいか」
すぐに立ち去りたい。それしか頭にない。
「分かった」
そんな言っても、解っていない。この感情がよく解れない。抱いてる感情なんて必要ないのに。
胸に手を当てる。貴虎よりも随分早い鼓動が伝わって来た。
「嘘と本当くらい見破れないのかな、全く…」
溜め息をつきながらふらっと文句を言う。
ふと呟いた。
「本当につまらない。罪な男だよね」
何故か体が震えた。
怖くなる。自分の言ったことが自分に返ってくるようであった。
「貴…虎…」
締め付けられるような想いが痛む。後ろの温もりに気付くまでは。
「凌馬…お前がどう思っていても俺はお前が好きだ」
何かが切れるようだ。縺れる糸がほどけ、ばらばらになるように一気に解れる。涙も零れる。
「本当、…君という男は……」
罪だ。そう言う前にキスを交わす。
その時間だけが、無駄なことは全部忘れることのでき、背負ってきたものも全てどこかへ行った。
唇は離れた。
貴虎は照れくさそうに目を反らす。
一度は僕が認めた男なんだから…自信をもっと持ちなよって言っても、ね…

「罪の意識がない貴虎は苦労しちゃうよ」
聞こえないように、聞かれないように、心の中でそっと呟く。
どうせ君が想ってるような男じゃないんだよ。
なのに、
ごめんね、とその先を望んだ。




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謎文でまた草加雅人。
鬱みたいですね。
無理しんどい系。
疲れてんのかなぁ。

本命(病凌×貴)→←TVゲーム(凌+貴+光)

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