【BL】【仮面ライダー】冗談も程々にしろ！【短編集】

不足中？(凌×貴) ページ12

貴虎は酷く頭を悩ませていた。
弟の光実が煎れてくれた隠し味に葡萄果汁の入ったコーヒーを少しずつ飲みながら。
「なぜ俺を避ける…？」
考えれば考える程遠ざかる。凌馬は一体何を考えているのか。
光実なら分かるかもしれないと閃いたが、
「ん〜…僕にはきっと解決策は思い浮かばないかな…まぁ………兄さん自身の問題かもしれなくもない、かも？」
という返答(誤字ナシ)が帰って来たため、更に頭を悩ませた。
『兄さん自身の問題』というものを振り返る。凌馬に損になること、悪かったと思うことを浮かべた。
「…好きだと、言っていない…？」
いや、ここまで来てそんな訳ないだろう。
…と、勝手にフラグを成立させてしまう貴虎。疑いつつも、凌馬へ日頃伝えていない気持ちを伝えに家を出た。

研究所に凌馬は一人でいた。ドライバー等の調整をしながら、集中しているようだった。
「…凌馬、いるか？」
びっくりして、後ろを振り返ると貴虎が息を切らして入ってきた。
動揺するも、気まずそうに目を逸らす。そんな凌馬の肩を掴み、貴虎は唇を重ねた。
カラーン。
凌馬は自分の手に持っていた道具を床に落としてしまう。
何があったのか分からず、ただあたふたしだして赤くなる凌馬を制し、貴虎は言った。
「好きだ、凌馬…」
みるみるうちに凌馬に笑顔が広がる。純粋な笑みと、少し悪戯な笑みが混ざっているようだった。
「…ふふ、実験大成功。っていうか最高だよ貴虎…」
固まる貴虎。しかし、凌馬はまだ続けた。
「正直好きって言って貰えるなんて想定外だ。まだ少しドキドキしてるし…」
貴虎はまだまだ謎が深まる。実験？成功？最高？
「何のつもりだ」
するとニヤニヤとした顔が寧ろ清々しい凌馬が説明した。
「もし僕が貴虎を避け続けたらどんな反応をするのか知りたかったんだよ」
つまり俺が実験体？
「俺を弄んだのか？」
にこりと笑う。今度は純粋が100%である。
「そうと言えばそうだね。“私の趣味”だ」
……はぁ、と大きな溜め息がでる。まぁ慣れたことだと、自分に言い聞かせ諦めた。
だが、暖かい体温が身に溢れる。
「実験体にしてすまなかったね……僕も君が好きだよ、貴虎」
唇を二人は再度重ねた。
ゆっくりと時間を掛け、深く接吻をする。

その様子が兄が心配で見た光実に見られてしまい、一週間程口を聞いて貰えなかったことはまだ未来の話。

○○○○兄さんの憂鬱(凌+貴+光)→←弱点調査中。下の方。(凌×貴)※

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