あの部屋 ページ33
何も覚えていない。
朝、というか昼前に太宰さんと喧嘩をして、喧嘩？あれは喧嘩なのかな。価値観の違い？でも怖くなった。太宰さんの事が。
その後、やっぱり寂しいなって太宰さんの事でいっぱいになっていると……あぁ、そうだ。彼奴が鍵を壊して入って来て、一緒に来いって言った。
行かないって、嫌だって言ったら殴られた。睨んだら怒鳴って発砲された。左のお腹の辺り。掠ったのかな。抉れたかな。動くと痛い。
痛みで蹲りながら睨み続けると彼奴は傷の辺りを踏んだ。あまりの痛みに耐えられなくて意識を手放して、目が覚めたら此処にいた。
前にもいた部屋。
薄暗くて、なのに僕の着ている服も壁も白。天蓋付きのベットや棚なんかは淡いピンク色。
でも、今回は右の足首に重たい鉄の足枷がつけられてる。かなりきつく。少し動いただけでも擦れて血が滲んできた。動く度にじゃらじゃらと音が鳴る。
太宰さんに会いたい。此処は怖い。
やっぱり太宰さんは彼奴とは違う。彼奴は僕を本気で殴った。けれど太宰さんのはそんなに痛くなかった。それは力の入らない左手だったからと彼のは愛があったから。なのに僕は太宰さんの優しさを拒絶した。なんて事をしたんだろう。彼は反省してくれていたのに。
太宰さんの事を想うと涙が言う事を聞かず落ちていった。
すると突然重たい鉄製の扉が開いて彼奴が入って来た。
「何をそんなに泣いているのかな。殴られたのが痛かったからかい？それとも傷が痛むからかい？」
答えずに泣きじゃくる僕のいるベットに腰掛けて僕の頭を撫でた。
嫌だ。太宰さんじゃなきゃ嫌。違う。太宰さんはこんな風に僕に触ったりしない。
「ごめんね、痛かっただろう？君が悪いんだよ。俺に歯向かったからだ。いいかい、俺はね、君を高いお金出して悪い大人達から買い取ったんだ。それは俺が君に惚れたからだよ。わかるね。君は俺の事を好きにならなきゃいけないんだ。これは義務だ。好きじゃなくても反抗しちゃいけない。俺の所有物なんだからね」
太宰さんが良い。太宰さん以外なんて好きになれない。怖い。この人がやってるのは脅迫だ。
「わかったかい？」
貴方「……は、い。北原、さん」
北原「うん。わかればいいんだ」
太宰さんには名前はわからないと言ったけど、本当は知ってる。此奴は北原白秋。
言わなかったんじゃなくて言えなかったんだ。
殴られると思ったら怖くて。
喉から出なかった。
ごめんなさい。太宰さん。やっぱり僕は怖がりだ。
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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀｀) (2018年9月27日 23時) (
レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…！頑張らせてもらいます…！ (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました！ありがとうございます(*´ω｀*)これからも更新頑張って下さい(*´∀｀) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…！そう言って貰えるととても嬉しいです！私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅野 | 作成日時：2017年9月24日 22時
