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違うと言ってほしかった ページ30

太宰さんはあの男と違う。
そう思っていた。
でも、実際は何処か似ていた。
あの男に彼が重なってしまう事にどうしようもなく苛々してる。
太宰さんは僕の身体を求めてる訳じゃない。
と、思いたい。
思いたいだけだ。彼だって人間だ。あの男と同じ所だって幾つもあるだろう。
一緒だなんて思いたくない。

太宰「私、そろそろ行くね。大事な仕事があるんだ」

すっと立ち上がって何時もより静かな声で言った。

貴方「……行ってらっしゃい」

太宰「来ないの?」

貴方「今は一人にして」

どんな顔して太宰さんの横にいたらいいかわからないし、少し彼の事が怖くなってるから。
嫌いになったんじゃない。怖いんだ。

そんな僕を見て太宰さんは少し寂しそうに微笑んだ。

太宰「……わかったよ」

少しして静かにドアの閉まる音が聞こえた。
本当に行っちゃった。一人にしてとは言ったけれどいざ一人になってみると心細く、寂しい。
……嫌われただろうか。
僕をあんなに大事にしてくれていた彼に好きな太宰さんじゃないなんて。


怖かったのは事実だ。体が拒絶するくらいだったから。
彼が僕を愛していてやった事だとわかっても受け入れる事は出来なかった。目の前にいるのは太宰さんじゃなく、あの男なのかと思うほどだった。というか、現に一瞬だけど彼が彼奴に見えた。だから彼の伸ばした手を拒んだ。
怖かったんだ。何もかもが。
彼の愛も優しさも冷たい言葉も暴力も全てがごちゃまぜになって悪い方へと進んで行く。
本当の太宰さんがわからない。


もしかして今までのは全部嘘?


彼奴と同じ様に僕を人形にするための準備か何かだった?


実は僕を売り飛ばす心算だったとか……?


考えれば考える程僕の中で太宰さんは敵になっていく。
証拠なんて何もないけど彼が怖い。
悪い人じゃないのはよくわかってる。でも恐怖が彼を悪者に変える。
今すぐそうじゃないと彼に言ってほしい。彼のあの声で聞きたい。そうしないと自分がおかしくなってしまいそうだ。



そんな事を考えている内に彼らは直ぐそこまで来ていた。太宰さんについて行けば良かったと後悔するまであと少し。

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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀`) (2018年9月27日 23時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…!頑張らせてもらいます…! (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました!ありがとうございます(*´ω`*)これからも更新頑張って下さい(*´∀`) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…!そう言って貰えるととても嬉しいです!私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月24日 22時

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